第74章 青木朝音が厳谷君彦にラブレターを書いた?

満点とはどういう概念なのか、彼はただ考えるだけで冷や汗が出た。

あんなに難しい問題で、彼でさえ120点ちょっとしか取れなかったのに、魔王あさねは150点満点を取ったばかりか……

彼はその答案用紙を見る機会があったが、その場で驚愕し、今でもまだ立ち直れないほどだった。それはまだ信じられないほどだった。

まさか誰かの解法がこんなにも巧妙で独創的だなんて、しかもそれが女子生徒だなんて。彼のような所謂数学の天才でさえ、頭を下げて自分の不甲斐なさを認めるしかなかった。

魔王あさね……

彼はこの名前を何度も何度も口の中で噛みしめた。しかし、聞いたこともない名前だった。上野先生の話によると、彼女は職業高校の生徒だという?

そんなはずがない!

一体誰なんだろう?

ただ、魔王あさねが数学の参考書を出版したばかりだと聞いて、彼はそれを買って研究しようと思っていた。