第80章 北川麟兎は母上様を見た

言葉を聞いて、青木勇太の眉はさらに深く寄せられ、少し困ったように言った。「以前彼女を職業高校に転校させるのにも山田校長には随分と迷惑をかけたのに、今また頼みごとをするなんて、私も言い出しにくいよ。」

「じゃあ、お爺さんに頼んでみたら?確かお爺さんと山田校長は少し知り合いだったよね?」

深井蓉悠はそう言いながら、ふと溜息をついて朝音を見た。「はぁ、朝音さんが愛茉の半分でも成績が良ければいいのに。そうすればこんなに面倒なことにはならなかったのに。最初から愛茉に姉の勉強を見させるべきだったわ。そうすれば…」

青木愛茉は甘く言った。「お姉ちゃんが望むなら、いつでも勉強を教えてあげるわ。まだ半年以上あるし、間に合うはずよ。」

青木朝音は眉を上げた。勉強を教える?あなたにその能力があるかどうか疑わしいわ。