第115章 アサガオ登場、棋局を解く(5)

駒が飛び出した瞬間、ほぼ全員が思わず目を見開き、息を止めた。心は不安と興奮が入り混じり、黒い石が盤の左下隅という最も目立たない位置に落ちるのを食い入るように見つめていた。

あんな隅の位置は、一見何の変哲もなく、普通の人なら全くそんな一見無意味な一手を打とうとは思わないだろう。

しかし、その石が置かれた瞬間、盤面全体を見渡すと、明らかに局面が完全に変わっていた!

よく見ると、囲碁の心得がある達人たちは、次々と驚きのあまり息を呑み、続いて衝撃と狂喜が訪れ、瞳孔が震え、濃密な驚きと信じられない思いが噴出した!

「破った!破ったぞ!本当に破ったようだ!」

まず厳谷お爺さんが興奮して叫び出し、手足を踊らせ、異常なほど高揚していた。

囲碁が分からない人々は、それまで青木朝音がさっき見せたかっこいい動作に浸っていて、彼女が指ではじいた動作が本当にかっこよかったと感心していたが、彼女が本当に解けるとは期待していなかった。