第126章 トラブルメーカー

厳谷お爺さんは弾指一閃を放ち、彼の頭を小突いて、怒りを込めて口を開いた。「朝音さんは決して無能なんかじゃない、彼女は天才だ!」

厳谷究は軽蔑したように口を尖らせた。「ただの馬鹿なのに天才だなんて、よくもそんな風に大事にできますね」

「言っておくが、朝音さんはアサガオと魔王あさねなんだぞ、とんでもなく凄いんだ!」

その言葉を聞いて、厳谷究はまるで世界一の冗談を聞いたかのように嘲笑した。「もういいですよ、あなたは本当にあの小馬鹿に毒されてしまったんですね」

「知らないよ知らないよ、朝音さんを孫の嫁にするって決めたんだから!」

厳谷お爺さんは心の中で思った。青木朝音を囲碁協会に引き入れることはできなかったが、少なくとも彼女を孫の嫁にすることはできる。これはそれほど悪くない取引だ。

「それなら君彦に頼めばいい、私を煩わせないでください」厳谷究はそう言い捨てて、イライラしながら階段を上がっていった。

お爺さんは憤慨して、彼の背中に向かって叫んだ。「言っておくが、お前は後悔することになるぞ!」

そして付け加えた。「朝音さんが他の誰かに奪われたら、その時はお前が泣くことになるぞ!私が警告しなかったとは言わせないよ」

……

青木愛茉は青木朝音が合計でたった25点しか取れなかったと聞いて、心の中でこれ以上ない程の優越感を感じた。すぐに厳谷君彦の前に駆け寄り、悲しそうな顔を装って、ため息をつきながら言った:

「ああ、姉さんは今回たった25点しか取れなかったの。もっと早く彼女を助けるべきだったわ。家に帰ったら、きっとまた父に叱られるわ」

厳谷君彦は思わず眉をひそめ、冷笑して言った。「あんな人を助けても無駄だよ、時間の無駄だ」

青木愛茉はまた愛らしい様子に戻り、笑いながら言った。「数学の最後の問題、あなたは正解できた?私にはとても難しく感じたわ、10点も減点されちゃった」

厳谷君彦はうなずき、表情は相変わらず無表情だったが、意図的に優しい口調で言った。「確かに難しかった、俺も減点されたよ」

「じゃあ、問題を作った魔王あさねはすごいってことね。でも…彼女は一体誰なんだろう?残念ながら、囲碁の解読をしている時もマスクをしていたらしいから、どんな顔をしているのか全然分からないわ」