青木朝音はジョーディスとセシリーを見送ったところだったが、驚いたことに、セシリーの話によると、彼らが駆けつけてきたのは、誰かがオーロラが困っていると伝えたからだった。盗作で冤罪を着せられているので、証言のために来てほしいと頼まれたのだという。そのため、彼らは最速で駆けつけてきたのだった。
これは奇妙だった。ジョーディスとセシリー以外に、彼女がオーロラだと知っている人はいないはずだ。誰が情報を伝えたのだろう?
青木朝音は気になりつつも、それ以上この問題を考えるのはやめた。どちらにしても相手は善意からだろうし、悪意はないはずだ。
「お腹すいたでしょ?食事に行こう」
古川松陰はタバコを不良っぽくくわえたまま、ずっと朝音の後ろをついて歩いていた。彼女の手を握りたかったが、先ほど拒否されたばかりなので、我慢するしかなかった。