蘭の花に丁寧に水をやっていた北川和蒼は、母上様がグループに入ったと聞くと、すぐさま最速でWeChatグループにログインした。
紅包(お年玉)を奪い取る気もなく、直接メッセージを送った。【ようこそ。】
北川蒼涼は仕事中で、サインすべき書類の山に追われ、てんてこ舞いだった。アシスタントの報告を聞きながら、「芦田映像制作会社が撮影予定の映画は、投資家がすでに次々と撤退しています。さらに、芦田映像制作会社の次のプロジェクトも恐らく中止になるでしょう」
北川蒼涼は空き時間に顔を上げて彼を見つめ、声に冷酷さを滲ませた。「芦田家を監視し続けろ。芦田映像制作会社をこの業界から追い出してやる」
彼の母上様をいじめ、さらには青木氏を破産させると大言壮語する者には、北川蒼涼が容赦しないことを知らしめるべきだ。