第230章 オークションで真田千晴の忘憂の身分を暴く（6）

もし真田千晴が、本物の忘憂の匂い袋を作るのに必要なコストがたった100元ほどで、千年霊芝など全く必要ないことを知ったら、怒り死にするかもしれない。

そして所謂千年霊芝など全く必要ないのだ。

再び騒ぎが起こり、皆が目を見開いて面白がり、この千年霊芝が最終的に誰の手に落ちるのかを見守っていた。

井上隼風は興味深げに彼女に尋ねた。「本当に霊芝が欲しいのか、それとも…」

「偽物よ」青木朝音は遠慮なく言った。

井上隼風は妖艶に笑って、「わかった」と言った。

真田千晴と真田雨美はほとんど血を吐きそうなほど怒っていた。何度も競り合った結果、価格はすでに青木朝音によって8000万まで釣り上げられていた。真田千晴が1億と叫んだとき、ようやく青木朝音は諦め、もう値を付けなかった。

まあいいか、ほどほどにしておこう。

どうせ後にもっと大きな見せ場があるのだから。

真田千晴の顔は怒りで真っ白になっていた。本来なら500万で手に入るはずだったのに、今や1億も使うことになった…幸い真田家はここ数年で大儲けしていたので、この程度のお金は惜しくなかった。

続いていくつかの宝物がオークションにかけられた。名画や古美術品、玉器などがあったが、青木朝音はあまり興味を示さなかった。しかし青木愛茉と深井蓉悠は見栄を張って何度か札を上げた。

おそらくそうすることで威風堂々としていると感じたのだろう。一時的に有頂天になり、価格は彼女たちによって一気に1200万まで釣り上げられた。他の人がさらに値を上げると思っていたが、誰も加わらなかった。

「お母さん、どうして誰も値段を上げないの？」

青木愛茉は焦り、しばらく待っても誰も値を上げず、ようやく慌て始めた。

「慌てないで、私たちは金色の招待状で入場したのよ。人に見くびられるわけにはいかないわ」

深井蓉悠は冷静を装って青木愛茉の手を軽く叩いた。どうせ彼女はこの数年で内緒の貯金をしており、1200万なら出せるはずだった。

後で青木勇太に上手く言えば、彼が弁償してくれるだろう。

落札が決まると、周りからは褒め言葉なのか皮肉なのか分からない声が聞こえてきた。「おや、青木家はまだ没落していないようだね。かなり気前がいいじゃないか、1200万だぞ」