第228章 オークションで真田千晴の忘憂の身分を暴く（4）

競売人の高らかな声が響き渡った：

「次の競売品は、千年霊芝です。この霊芝の貴重さは皆さんご存知でしょう。では競りを始めます。開始価格は100万です。」

競売人の言葉が終わるや否や、最初に値を付けたのは真田千晴だった。彼女は直接200万と声を上げた。彼女が今日来た主な目的は、この千年霊芝を手に入れることだった。

なぜなら千年霊芝は忘憂の匂い袋を調合するための主要な薬材の一つであり、彼女はどうしてもこれを手に入れる必要があった。

一度千年霊芝という主要な薬材が欠けると、忘憂の効果は大幅に減少してしまう。

忘憂の匂い袋は彼女が一年以上研究してようやく成功したものだった。理論的には、元の忘憂の匂い袋の成分を検出すれば調合できるはずだった。

しかし奇妙なことに、元の忘憂の匂い袋にはいくつかの薬材があり、彼女が長い間検査分析しても、それが何なのか分析できなかった。

一年前、家の老人が幸運にも千年霊芝を手に入れたことで、真田千晴は元の忘憂の匂い袋の主要な薬材の一つが千年霊芝によく似ていることを発見した。

その後、彼女は試しに忘憂の匂い袋を調合してみたところ、効果が本物とほぼ同じで、安神助眠の効果があることがわかった。

そのとき、大胆な考えが浮かんだ。彼女は忘憂になりすますのだ！

どうせ誰も忘憂の姿を見たことがなく、忘憂は2、3年前から行方不明になっているのだから、誰も疑うまい。

……

最後列に座っていた口髭の若者は周りを見回し、この霊芝に興味を持つ人があまりいないことに気づいた。結局のところ、霊芝というものは本当のところはわからない。それが本当に千年生きているかなんて誰にもわからないのだ。

もし本当に千年生き続けた霊芝なら、確かに宝物だ。薬として使えるだけでなく、匂い袋や化粧品にもできる。真田千晴が何としても手に入れたいと思うのも無理はない。

この時、競りは既に500万まで上がっており、まさに落札されようとしていた時、口髭の若者は邪悪な笑みを浮かべ、手の札を上げて、だらしなく叫んだ：「1000万」

真田千晴はちょうど安堵のため息をついたところだった。500万で千年霊芝を手に入れるのはまあまあの価格だと思っていたが、突然の変化に、その人が1000万と叫び、価格が一気に倍になった。