第271章　青木朝音は墨川青だった、正体がバレる（4）

この言葉が出るや否や、古川お爺さんの表情が目に見えて厳しくなったのが分かった。明らかに急所を突かれたようで、すぐに目が輝き、興奮の光を放っていた。そして青木朝音はさらに言った：

「まず、良い書道作品は表裏がはっきりしていて、主従の順序があり、重心が安定し、長短が適度で、疎密が均等であるなどの特徴があります。ですから、古川お爺さんには今後、真ん中から両側に向かって書くことをお勧めします。そうすれば点画の構造がより引き立ち、側筆の欠点も補完できて、一石二鳥ではないでしょうか？」

まるで夢から覚めたかのように、古川お爺さんの目から急に光が放たれ、興奮のあまり体が震え、目から鱗が落ちたように手を打った：

「素晴らしい！本当に絶妙だ！なぜ私はそれを思いつかなかったのだろう？」

古川お爺さんは急いで再び筆を取り、青木朝音の言った方法で二行の大きな文字を書いた。すると確かに骨力が生まれ、まるで命が吹き込まれたかのようで、全体の構図も壮大になり、調和のとれた美しさが生まれた。

前後の書道作品を比較して、先ほどまで青木朝音がでたらめを言っていると思っていた人々も、今や口をつぐむしかなかった。

竜野お爺さんさえも驚愕の表情を見せた：「これは...彼女は本当に正しかったのか？」

一人の小娘が、どうして本当に書道を理解しているのだろうか？しかも的確に指摘し、一瞬で古川さんの欠点を言い当て、彼女の方法で書いたら、その書道作品は何段階も上がったのだ。

以前の古川先生の作品が5600万円で売れたとしたら、今のは少なくとも二倍の価値があるだろう！

「この小娘はただ者ではないな、確かに実力があるようだ」

ある名家のお爺さんが鋭い目で青木朝音を見つめながら言った。もう誰も彼女を軽視する者はいなかった。

青木勇太の緊張と不安な気持ちが一気に和らぎ、顔に喜びの色が浮かんだが、青木朝音を見る目は複雑さに満ちていた。同時に少し悔やむ気持ちもあった。彼は先ほど彼女が無茶をしていると言って止めようとしたが、彼女は本当に理解していて、でたらめを言っていたわけではなかったのだ。

青木愛茉の顔色は変わり、指をさらに強く握りしめ、心に疑念が走った。

どうしてこんなことに？あの賤人が本当に書道を理解しているなんて？もしかして盲目の猫が死んだネズミに当たったように、偶然当てただけなのでは？