そのとき、まるで長い間密かに待ち構えていたようなパパラッチが、突然飛び出してきて、青木朝音とその女性に向かって狂ったように連写し始めた。
その後、サイレンの音が鳴り響いた。
女性は青木朝音が彼女を強姦しようとしたと断言し、警察が時間通りに来てくれて良かった、さもなければ「彼」に成功されるところだったと言った。
青木朝音は今でも頭がぼんやりしていた。正直なところ、彼女はこれまで多くの世界を転生してきたが、こんな状況に遭遇したことはなかった。
今回は本当に目を見開かされた経験だった。
そして、青木朝音は強姦罪の容疑で警察署に連行され、心の中では「くそっ!」と叫びたい気持ちだった。
取調室内。
「名前は?」
青木朝音を尋問していたのは南区の刑事支隊副隊長の木下進一で、恐ろしい形相をしていた。
「どうでもいいわ」
青木朝音は今、非常にイライラしていた。両手に手錠をかけられ、冷たくも苛立った目つきで椅子の背もたれに寄りかかり、全身から恐ろしい殺気を放っていた。
「もう一度聞く、名前は!」
木下進一は声を張り上げ、威嚇するように叫んだ後、机の上の警棒を取って脅した。「大人しくしていた方がいいぞ!」
「隊長、見てください、この人がニュースに出ています。彼が価値のある忘憂の匂い袋を作った忘憂だったんです。人を見かけで判断できないものですね。まさか強姦魔だったとは」
若い警官が取調室のドアを開けて入り、携帯電話のニュースを木下進一に見せた。そこには先ほど撮影された、青木朝音がその女性を押し倒している場面がはっきりと映っていた。
女性は服が乱れ、髪も乱れ、恐怖と混乱に満ちた表情で、絶望的で無力な様子に見え、確かにそういう状況のように見えた。
その後、青木朝音がオークションに参加した時の写真も流出し、彼女の忘憂としてのアイデンティティが暴露された。
この二つを組み合わせると、ネットユーザーたちはすぐに、忘憂が強姦を実行しようとしていた犯罪者だと認識した。
国民の怒りが爆発!
ネット上では非難の声が溢れた。
【くそっ、俺は忘憂を尊敬していたのに、まさか獣以下の畜生だったとは!こんな奴は千刀万剐の刑にしても、民衆の怒りを鎮めるには足りない!】