曹操の話をしたとたん、曹操が現れた。北川倫慶は階下で帰ろうとしていた古川松陰とばったり出くわし、すぐに嫌な予感がした。まずい、きっと松陰様に先を越されたな。
「松陰様、まさか...あなたも私の女神に服を届けに来たんじゃないでしょうね?」
北川倫慶は警戒心丸出しで尋ねた。
古川松陰は彼が手に提げている大小の袋を一瞥し、少し得意げに眉を上げて自慢げに言った。「彼女はもう私が持ってきた服を着ているから、君が気を遣う必要はないよ」
北川倫慶は口をとがらせ、負けじと言った。「じゃあ明日着る服を一着選ばせてみよう。彼女はきっと選ぶはずだ!」
言い終わるや否や、北川倫慶は急いで上階のF組へと駆け上がった。まるで古川松陰に止められるのを恐れているかのようだった。
しかし、古川松陰は彼を全く眼中になく、青木朝音が自分の贈った服を脱いで北川倫慶の持ってきた服に着替えるとは少しも心配していなかったので、彼を行かせることにした。