第306章 全ての大物が出動、青木朝音に服を届ける(4)

曹操の話をしたとたん、曹操が現れた。北川倫慶は階下で帰ろうとしていた古川松陰とばったり出くわし、すぐに嫌な予感がした。まずい、きっと松陰様に先を越されたな。

「松陰様、まさか...あなたも私の女神に服を届けに来たんじゃないでしょうね?」

北川倫慶は警戒心丸出しで尋ねた。

古川松陰は彼が手に提げている大小の袋を一瞥し、少し得意げに眉を上げて自慢げに言った。「彼女はもう私が持ってきた服を着ているから、君が気を遣う必要はないよ」

北川倫慶は口をとがらせ、負けじと言った。「じゃあ明日着る服を一着選ばせてみよう。彼女はきっと選ぶはずだ!」

言い終わるや否や、北川倫慶は急いで上階のF組へと駆け上がった。まるで古川松陰に止められるのを恐れているかのようだった。

しかし、古川松陰は彼を全く眼中になく、青木朝音が自分の贈った服を脱いで北川倫慶の持ってきた服に着替えるとは少しも心配していなかったので、彼を行かせることにした。

古川松陰が校門を出たところで、また二つの見覚えのあるシルエットが目に入った。のんびりとやってきた北川蒼涼と北川和蒼だった。

古川松陰は今や少し疑わしく思った。これは全員総出で彼の妻に温かさを届けに来たのか?

つまり、北川蒼涼兄弟と彼の妻はいったいどんな関係なのか?こんなに親切にする必要があるのか?

「松陰様、あなたも服を届けに?」北川蒼涼は足を止め、本能的に敵意を見せながら尋ねた。

「君たちは北川麟兎に服を届けに来たのか、それとも私の彼女に服を届けに来たのか?」

古川松陰は今日、黒い長めのコートを着ていた。両手をポケットに入れ、背が高くたくましく、すらりとした体つきで、ますます彼のハンサムさと魅力が引き立っていた。細長い目で笑うでもなく笑わないでもなく、目の前の二人を見下ろすように尋ねた。

彼女?

北川蒼涼と北川和蒼の表情が一瞬凍りついた。すぐに二人同時に眉をひそめた。潜在意識の中でこの三文字に強い拒絶感を抱いていた。

結局のところ、古川松陰が本当に母上様と一緒になったら、古川松陰は彼らの父上様になってしまうのではないか?

うーん...言い表せないほど奇妙な感じだ。

だから、彼らは本能的にこのようなことが起こるのを許さなかったが、すでに起こってしまったからには、母上様が幸せになることを願っていた。