九領統一試験の日がついに来た。
北川麟兎は自分の運がとても良いことに気づいた。なんと母上様と同じ学校で試験を受けることになったのだ。同じ試験会場ではなかったが、それでも彼は狂喜乱舞していた。
彼は今日もいつものように青木朝音の家の下で待っていたが、朝音に上がってくるよう呼ばれた。テーブルには木村琢真が買ってきた朝食が並べられており、あの方も先ほど来て、すでにテーブルに座って食事を楽しんでいた。
北川麟兎は一瞬驚き、少し不思議そうに「松陰様、どうしてこんなに早くに?」と尋ねた。
自分が十分早く来たと思っていたのに、古川松陰の方がさらに積極的だったとは。
古川松陰は小籠包を一つ口に入れ、眉を上げて彼を横目で見た。今回は珍しく優しい口調で「これからお前たちを学校に送るんだ」と言った。