第351章 ハッカー大集会、Jキング正体バレ（6）

「彼女と？興味ないね」青木朝音は軽蔑的な目で真田千晴を一瞥した。彼女と比べる価値もないと思っていた。

雪狼は鼻で笑った。「怖気づいたんじゃないか？」

青木朝音は雪狼を見て、微笑んだ。知的障害者と話す気はなかった。

「ちょうどパソコンを持ってきたから、娯楽として勝負してみない？」

真田千晴は青木朝音が偽物だと確信していた。正体がバレるのを恐れて勝負を避けているのだろうと思い、笑顔で提案した。そして給仕にパソコンを持ってくるよう頼んだ。

「勝負しない」青木朝音はシンプルに拒否した。

「彼女が本物のJキングであることを証明できる。君たちは私の言葉も信じないのか？」井上隼風の目が冷たくなり、場内を一瞥した。怒りを表さずとも威厳があった。

「井上アニキ、もちろんあなたを信じていますよ。でもせっかくJキングが来たんだから、腕前を見せてもらいたいじゃないですか？そうすれば私たちも納得できますから」

話したのはやはり雪狼だった。誰も気づかなかったが、彼の目に一瞬、不明な光が走った。

彼は今目の前にいる女性が本当にJキングなのかを確認する必要があった。実は彼は、井上九が本物のJキングを守るために偽物を用意したのではないかと強く疑っていた。

「お前は何様だ？Jキングに命令する資格があるとでも？腕に自信があるなら俺と勝負しろよ」

北川倫慶が素早く立ち上がり、挑発的に顎を上げて雪狼を見つめ、傲慢に言い放った。

彼はずっとこの雪狼のことが気に入らなかった。今また母上様を標的にしているので、我慢の限界だった。

雪狼は彼が影天丸であり、以前は九領局の人間で、自分よりもはるかに優れたトップクラスのハッカーであることを知っていた。彼と勝負して恥をかくほど馬鹿ではなかった。

「俺たち二人が勝負しても面白くない。JキングとJキングと蝶子の勝負こそ見ものだろう。女同士の争いは面白いものだ。残念ながら、Jキングは気が進まないようだがね」と雪狼は言った。

北川倫慶は軽蔑的に彼を睨みつけ、「臆病者」と罵った。

「誰に向かって言ってる？もう一度言ってみろ？」雪狼は怒りが一気に沸き上がり、北川倫慶を指さして怒鳴った。

「お前が臆病者だと言ったんだ、お前のことだよ！どうした、喧嘩したいのか？来いよ！」