第85章 最近元気?嘘はやめよう (5)

デブは小学校の頃から髙橋綾人と知り合いで、中学1年生の時に髙橋綾人が「天下を取る」時、デブはずっと彼の側に「離れずについていた」。

これほど長い間、デブは髙橋綾人がどの女性にも良くしているところを見たことがなかった。いや、正確に言えば、まともに見向きもしなかった。

森川記憶が最初の一人であり、デブが知る限り最後の一人でもあった。

何年経っても、誰かが「男が女にどう接すれば良いか」という話題を出すと、デブの頭には必ず「綾人さん」の姿が浮かぶ。本当に、彼は生涯で一人の男が一人の女にここまで一途に心を尽くす姿を見たことがなかった。

デブはずっと、髙橋綾人が彼らのグループに開心ネットカフェで「大々的に秘密裏に」森川記憶を守らせていたのが十分だと思っていた。しかし後になって、それはほんの始まりに過ぎなかったことを知ることになる。