第226章 私の愛する人は、私の愛人ではない（6）

以前このような場面に遭遇すると、山崎絵里は空気を読んで黙っていたものだが、今回の彼女は少しも妥協する気配がなく、先ほど尋ねた質問を続け、より明確に問いかけた。「それとも、記憶ちゃん、高橋先輩のことが好きになるかもしれないの？あるいは、今すでに高橋先輩に心惹かれているの？」

……

大晦日の夜、髙橋綾人が山崎絵里から送られてきたスクリーンショットを受け取った時点で、林田雅子を許すつもりはなかった。ただ、その時の森川記憶は電話に出ず、行方も分からず、彼は心底心配していたため、林田雅子の件は後回しにしていた。

麗江から戻ってきてからは、『三千の狂い』の撮影開始まで一ヶ月ちょっとしかなく、事前宣伝、脚本、ロケ地の決定など、すべてが彼の決断を待っていた。そのため正月、他の人たちが休暇を楽しんでいる時期に、彼は目が回るほど忙しく過ごしていた。

ようやく昨日、忙しさが一段落し、たっぷり眠った後、彼はその日が18日だと気づいた。それは彼と彼女が連絡を取らなかった4年間、彼が毎月こっそり彼女を見に行く習慣のある日だった。

このように彼女のことを思い出すと、林田雅子の問題がまだ解決していないことも思い出した。

翌日は学校が始まる日だった。彼は彼女が噂話に囲まれたまま学校に戻ることを許すわけにはいかなかった。井上ママが食卓に出した朝食にも手をつけず、まず林田雅子の件を処理しに行った。

林田雅子が学校外のナイトクラブに出入りしていることは、実は彼はずっと前から知っていた。ただ以前は、彼女を徹底的に追い詰めるつもりはなかった。

あの寮での一件で、彼がかなり厳しく警告した後、彼女は賢明に森川記憶から距離を置くだろうと思っていた。しかし、わずか2ヶ月ほど大人しくしていただけで、また問題を起こしたのだ。

森川記憶の方では、千歌のせいですでに十分トラブルを抱えていた。彼は千歌にとって、林田雅子のような頭の悪い利用しやすい手先をこれ以上与えるわけにはいかなかった。だから根こそぎ排除することにした。