第197章 あなたが一生迷い続けても、私のそばに来ることを願う(7)

学校を出た森川記憶は、道端に立ってタクシーを待っていた。そのとき、一台の車が学校の門から出てきた。今日は休日だったため、学校前の道路は特に混雑していた。その車が彼女のそばまで来たとき、前方の車両が急ブレーキをかけたため、この車も急停止した。

タイヤが地面と摩擦して鋭い音を立てると、森川記憶は本能的にスマホの画面から顔を上げ、目の前の車を一瞥した。

外観から、それがアウディだとわかった。彼女はあまり気にせず、再び頭を下げてスマホを見続けた。

約1分ほど経ったとき、目の前のアウディの助手席の窓が下がり、何かが中から飛び出してきた。それは彼女のそばを通り過ぎ、ちょうど近くのゴミ箱に落ちた。

森川記憶は驚いて、まずゴミ箱を見た。消された煙草の吸い殻だった。それから振り返って、目の前の車を見た。