第327章 コーラちゃんは誰?(7)

髙橋綾人が若い頃、森川記憶にどのように接していたかを目の当たりにしたデブは、心の底で震え、言い表せない苦しさが湧き上がった。

彼はボトルをテーブルに置き、酒の勢いを借りて思わず嘆いた。「お前たち、こうしているのがどれだけ良いか。さっき俺が下に行って小腹を満たす食べ物を買うために並んでいた時、高校時代に起きたことをたくさん思い出したんだ。あの頃、お前たちは今みたいに仲が良かった。正直に言うと、俺はいつも、出会いがあれば別れもあると思っていた。俺と綾人さんが別れることも、俺と他の親友たちが別れることもあると思っていたけど、お前たち二人が別れるなんて一度も考えたことがなかった。でも...」

デブは一瞬言葉を切り、何かを悔やむように強くお酒を一口飲んでから続けた。「...俺たちのグループで、最初に別れたのがお前たち二人だなんて思ってもみなかった。」

「今日まで、俺には分からないんだ。記憶、なぜお前は4年前、大学入試が終わるとすぐに、俺たちに一言の挨拶もなく名古屋を離れ、綾人さんから離れたんだ?」

ここまで聞いた森川記憶は、すぐに4年前のあの夜を思い出し、顔色が少し青ざめた。

「デブ!」デブが何を言っているか気づいた髙橋綾人が声を上げた。

デブは髙橋綾人の言葉に含まれる制止を聞かなかったかのように続けた。「もし俺の記憶が正しければ、4年前の今日だよな。今日の後、お前たち二人は口を利かなくなった。あの夜はクラスの大学入試前の集まりだった。あの夜、一体何があって、お前たちは他人同士になってしまったんだ?」

森川記憶は指先でテーブルをしっかりと掴み、必死に平静を保とうとしていたが、それでも体は少し震え始めていた。

「デブ!」髙橋綾人は再び口を開き、先ほどよりも厳しい口調で言った。

デブも焦れたようで、声のトーンも上がった。「綾人さん、なぜ俺に言わせないんだ?4年前、俺が彼女を探しに行こうとした時、お前は行かせなかった!4年後、お前たちは再会したのに、まだ俺に言わせない?お前が彼女にどれだけ良くしていたか、彼女が知らないはずがない!たとえお前が彼女に何か悪いことをしたとしても、どうして彼女はそんなに冷酷にお前との全てのつながりを断ち切れるんだ?!」