高橋綾人は直接本題に入った。「記憶ちゃんから連絡あった?」
「ないよ……」山崎絵里は少し考えてから、詳しく答えた。「……3日前の夜、LINEで話した時、明後日京都に帰るって言ってたけど、この2日間はあまり連絡取ってないな。」
「そう……」高橋綾人は短く返事をすると、黙り込んだ。
山崎絵里はしばらく待ったが、高橋綾人が何も言わないので、再び口を開き、心の中の疑問を口にした。「高橋先輩、何かあったの?」
高橋綾人は我に返り、淡々とした口調で答えた。「何でもない。」
「そう……」山崎絵里は馬鹿ではなく、高橋綾人が彼女に話したくないのだと理解し、空気を読んでそれ以上質問しなかった。
約2秒後、山崎絵里はまた口を開いた。「……高橋先輩、こうしよう。私が記憶ちゃんに連絡を取ってみるから、連絡が取れたらすぐに先輩に知らせるね。」