第466章 お嬢様、お届け物が来ました(6)

井上ママはもともと恐る恐るとした表情だったが、突然恐怖に変わった。

彼女は目の前の光景を見て、まるで信じられないような光景を目にしたかのように、瞬きをし、また瞬きをし、そして三度目に森川記憶が「口を開けて」と言いながら、スプーンをあまり優しくない様子で髙橋綾人の口に押し込むのを見た後、ようやくそっと手を伸ばし、自分の胸を叩いて、ドキドキと跳ねる心臓を落ち着かせた。

お粥一杯はすぐに森川記憶によって食べさせ終わり、彼女は空になった茶碗を横で目を丸くしている井上ママに渡すと、テーブルの上にあるカラフルな離乳食には目もくれず、手近にあったもち米で作られたウサギ型のご飯を取り、スプーンですくって、引き続き髙橋綾人に食べさせ始めた。

小さなウサギの頭が食べ尽くされた時、部屋から「ピンポン」という音が鳴った。