第449章 私が家まで送る(9)

夜、森川記憶は髙橋綾人のベッドに横たわり、長い間寝返りを打ってから、やっと眠りについた。

目が覚めると、窓の外はすでに陽光が地面いっぱいに降り注いでいた。

森川記憶は体を起こし、すぐにベッドサイドテーブルの上に整然と重ねられた服と開封されていない洗面用品を見つけた。

森川記憶は、自分が眠っている間に井上ママがこっそり入ってきたのだろうと理解した。

彼女は携帯を手に取り、まず時間を確認すると、すでに正午の12時半近くだった。それから布団をめくり、ベッドから降りて洗面所へ向かった。

出てきた後、森川記憶は急いで服を着るのではなく、まず昨晩の夏目医師の指示通りに包帯を外した。

ついでに傷口を見てみると、明らかに治癒の兆しが見えていた。

服を着終えた森川記憶は寝室のドアまで歩き、ドアを開けるとすぐに誘惑的な食事の香りがした。