第619章 発見された結婚証明書(22)

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「帝国ホテル」で食事を済ませ、松本儀子に家まで送ってもらった森川記憶は、髙橋綾人の指示通りに、おとなしく彼に無事帰宅したことを報告するメッセージを送った。

メッセージを送信した後、森川記憶は携帯を持ったまま10分間待ったが、髙橋綾人から返信がなかった。彼がいわゆる急用で忙しいのだろうと思い、トイレに行った。

洗面を済ませ、パジャマに着替えてベッドに横になった森川記憶は、携帯を手に取ってもう一度確認したが、髙橋綾人からの返信はまだなかった。

森川記憶の心に小さな失望が広がり、本能的に髙橋綾人にもう一度メッセージを送ろうとしたが、画面をタップした時に彼が忙しいことを思い出し、邪魔をするのが怖くなった。心の中で少し葛藤した後、昨夜のテレビ授賞式での出来事以来、まだウェイボーを確認していなかったことを思い出し、髙橋綾人とのメッセージ画面を閉じてウェイボーを開いた。

トレンドランキング1位は彼女に関するトピックだった:#森川記憶ごめんなさい#。

2位と3位は千歌に関するものだった。

以前、彼女を非難する声がどれほど激しかったか、今では千歌を非難する声がそれと同じくらい激しい。いや...コメントを閲覧していた森川記憶は心の中で首を振った...正確には、今の千歌への非難は彼女への非難よりも10倍も激しいものだった。

以前、彼女に貼られた「盗作女」というレッテルに比べ、ネットユーザーが千歌に貼ったレッテルは多種多様になっていた。「盗作女」「計算高い女」「偽善女」...想像できないものはなく、ネットユーザーがつけられないレッテルはなかった。

昨夜のテレビ授賞式の出来事は、彼女が千歌から「盗作」したという事件を頂点に押し上げた。

全国民が彼女を誤解していたことを知り、彼女のウェイボーに謝罪に来ただけでなく、彼女のウェイボーをフォローして「盛唐風雲」を応援すると表明した。

彼女のウェイボーのフォロワー数、コメント数、いいね数はすべて過去最高を更新し、昨夜放送された「盛唐風雲」の視聴率も、昨年最も人気のあったドラマ「三千の狂い」の視聴率記録をほぼ更新するほどだった。

彼女の現在の「栄光」と比較して、千歌のウェイボーはやや惨めな状態だった。おそらく彼女を非難する人があまりにも多かったため、彼女はコメント機能をロックしていた。