第137章 【137】橋本健太失踪2

夏野暖香も思わず心の中で南条慶悟を見直した。

南條漠真が好きになる少女は、やはり並大抵ではない。この雰囲気だけでも、普通の女性とは比べものにならない。

ただ、心の中のほんの少しの酸っぱさはどこから来たのだろう？

結局、ボディーガードは南条慶悟の威厳と銃には逆らえず、彼女を行かせることになった。

別荘を出て、夏野暖香はまず南条飛鴻に電話することを提案した。南条飛鴻はこの件を知ると、すぐに彼女に約束し、必ず人を派遣して探すと言い、彼も橋本健太がよく行っていたバーやクラブを見に行くので、彼女たちはまず焦らないでほしいと言った。

その後、夏野暖香は夏野家に戻り、夏野正南は彼女の要請を聞いて、人を派遣して探すことを約束した。しかし、やはり彼女に告げた。結局、夏野家の人々は限られており、南条家でさえ見つけられない人を、彼も見つけるのは難しいだろうと。

夏野暖香はそんなことは気にしていられなかった。

手伝ってくれるだけでよかった。

夏野暖香は特に前回橋本健太に会ったホテルに行き、フロントで橋本社長は最近ホテルに来ていないことを知り、少し絶望的な気持ちでホテルを後にした。

一人で街の大通りや路地を歩き回った。

夜になっても、橋本健太の消息はなかった。

そして南条慶悟と飛鴻のところでも、彼の消息はなかった。

空港には橋本健太が地方や国外に行った記録はなく、これは彼がA市からそれほど遠くに離れていないことを証明していた。

夏野暖香はタクシーに乗って街を歩き回り、涙が目から溢れ出した。

彼女は想像したくなかった、もし橋本健太に何かあったら、彼女はどうすればいいのか？

彼女はどんな理由で生き続ければいいのか？

元々は彼を探すために、偶然にもこの体に転生してきたのだ。

今、神様が彼女の唯一の希望さえも打ち砕くなら、彼女は本当に、どうやって続けていけばいいのかわからなかった。

小さい頃、彼女はよく孤児院の子供たちと隠れんぼをして遊んでいた。その時、彼女がどこに隠れても、橋本健太は彼女を見つけることができた。

橋本健太は彼女の手を握って言った、暖香ちゃん、あなたが天涯海角に隠れても、僕は必ずあなたを見つけるよ！