第366章 【366】私はあなたをどう罰すればいいのか1

今回は、彼女のミスだった。佐藤陽介のために解毒剤を急ぎすぎたのだ。だから、全く周到に考えず、今のような状況になってしまった!

幸い、夏野暖香は彼女を信じてくれた。

夏野暖香は疲れを感じ、夏野薔子を見て言った。「客室で寝ていいわ。夜が明けたら、すぐに出て行ってちょうだい!」

「わかったわ……」

夏野暖香は言い終わると、立ち上がって寝室に戻った。

夏野薔子は夏野暖香の背中を見つめ、瞳孔がだんだんと縮んでいった。

記憶を失った後、確かに彼女は完全に変わってしまった。

以前のあの純粋で幼い妹は、ほぼ完全に消えてしまった!

夏野薔子は下げた手を強く握りしめた。夏野暖香、安心して、あなたがどんな風に変わっても、私はあなたの手から、少しずつ本来私のものだったものを奪い返すわ!

……

時間は、あっという間に過ぎていった。

あっという間に、一週間が経過した。

前回の出来事以来、南条陽凌の夏野暖香に対する態度は、一晩で冷たくなった。

確かに、毎日帰ってはくるが、ほとんど夜の11時以降だった。

帰ってきても、書斎で遅くまで仕事をしていた。

寝室に戻る頃には、夏野暖香はすでに眠っていることがほとんどだった。

南条陽凌はベッドの上の小さな体を見て、黙ってベッドの端に行き、横になるだけだった。

耳元では彼女の安定した呼吸が聞こえ、とても近くにいた。

しかし、彼は彼女の心がとても遠いと感じていた。

夏野暖香は時々南条陽凌が帰ってくるのを聞くことができ、眠っていなくても、本当に眠っているふりをしていた。

このように、二人は同じベッドで寝ていながら、それぞれが心の内に秘密を抱えていた。

夜が明けると、南条陽凌は時間通りに起床した。

夏野暖香が毎日目覚める頃には、彼はすでに出かけていた。

時々、彼女も何か言おうとしたり、説明しようとしたりした。

しかし、南条陽凌のあの日の怒りと、彼の不信感を思い出すと。

彼女は心が冷え切ってしまうのを感じた。

説明しようがしまいが、もはやどうでもよくなっていた。

彼女は今、ただ映画撮影に集中し、すべてを仕事に注ぎ込みたいと思っていた。

なぜなら、明日何が起こるか、誰にもわからないからだ。