藤原輝矢は憤慨したが、しぶしぶ折れるしかなかった。お爺さんは彼が芸能界で活動することに常に反対していたので、もし松根がさらに彼を告げ口したら、お爺さんに連れ戻されて、二度と芸能界で活動できなくなるかもしれなかった。
「わかったわかった、姉さん、あなたが一番偉いよ、言うことを聞くよ」
そして、以前なら死んでも人に謝らなかった藤原輝矢が、前代未聞のことに陸田監督に頭を下げて謝罪した。おまけに松根はさらに油を注ぐように各メディアを招き、この出来事を大々的に報道させ、その場面をクローズアップで撮影させた。翌日、彼が陸田監督に謝罪したニュースが、各メディアの一面トップに掲載された。
「ポップ界の帝王、ついに頭を下げる」
「音楽界の帝王藤原輝矢、陸田俊に厳粛に謝罪」
「藤原輝矢が公開謝罪声明、昔の荒馬が老姜に征服される」