第111章 私の後をつけないで!

その後の半月間、藤原輝矢はほぼ毎日病院に来ていた。

最初、林薫織は彼に来ないよう懸命に説得していたが、後に何を言っても無駄だと悟り、彼を空気のように扱うことにした。

自分のところで冷たくあしらわれ続ければ、藤原輝矢もいずれ諦めるだろうと思っていたが、彼はまるで鉄の決意を固めたかのように、風が吹こうが雨が降ろうが、晴れようが雷が鳴ろうが、毎日必ず病院に来て、彼女と最後まで粘り強く対決する覚悟を決めていた。

この日、林薫織が病院の下階で果物を買いに行ったとき、偶然藤原輝矢に出会った。彼女は少し驚いた。朝早くから、藤原輝矢がなぜ向かいのマンションから出てくるのだろう?

藤原輝矢もちょうどその時彼女を見つけ、顔に看板のような笑みを浮かべた。「なんて偶然だね、ここでも君に会えるなんて、これって縁と言えるんじゃない?」