第210章 彼女にはまだ幸せを追求する資格があるのか?

林薫織は藤原輝矢を睨みつけたが、仕方なく手を伸ばして青バラを受け取った。藤原輝矢のあの顔は人を引き寄せすぎる。彼女の生活はようやく平穏を取り戻したところで、もう大きな波風を立てられたくなかった。

脅しが効いたことに、藤原輝矢は得意げに笑い、林薫織の肩を抱き寄せて病室の方向へ歩き出した。林薫織は当然不満だった。林の母が今病室にいるのだ。もし林の母が藤原輝矢の存在を知ったら、どれだけ面倒なことになるか分からない。

「藤原輝矢、何か用があるなら、ここで話せばいいじゃない」

「本当にここで話したいの?」藤原輝矢は目を細め、意味ありげに彼女を見た。

林薫織は藤原輝矢に見つめられて背筋が凍りつき、仕方なく小声で言った。「藤原輝矢、そんな態度を取らないでくれない?」

藤原輝矢は目を細め、一瞬冷たい光が目の奥を過ったが、すぐに消え、にやにや笑いながら言った。「どんな態度?今の私が怖いの?勘違いしないでよ。今日ここに来たのはあなたのためじゃない。伯母さんに会いに来たんだ」