高橋詩織は病室で薫理と一緒に午前中ずっと遊んでいた。昼近くになると、小さな子はおそらく遊び疲れたのか、彼女の腕の中で眠りについた。
高橋詩織は腕の中でぐっすり眠っている小さな子を見下ろし、半開きの目と少し開いた小さな口、そして口角に垂れた涎を見て、とても愛らしいと思い、思わず微笑んだ。
「高橋さん、ずっとそうやって抱いていると疲れますよ。お嬢さまを私に預けませんか?」
「大丈夫です。彼女はとても軽いので、抱いていても特に疲れません」高橋詩織は微笑んだ。
彼女はむしろ、この小さな子を抱いているのが心地よく、心まで柔らかくなるような気がした。薫理に対して、高橋詩織は心から好意を持っていた。
暁美さんは高橋詩織を見て、それから目を移して病床に横たわる氷川泉を見ると、突然自分が千ワットの大きな電球のように余計な存在に感じられた。