その夜、雨が再び降り始めた――細く、まるで地球を目覚めさせたくない空のささやきのように。裂けたテントと小さな焚き火で作られた仮設キャンプの中で、ダニエルは物思いにふけり、周囲を取り囲む深い森の暗闇をじっと見つめていた。
彼らの集団――破壊された村々から逃げてきた避難民は、今やほぼ三十人に達していた。ここ数日間、ダニエルは彼が今まで聞いたこともない場所から逃げ延びた人々に出会っていた。ヴァルデンは焼き尽くされた唯一の村ではなかった。
その日、彼が家族を失って以来初めて、人間の軍隊が現れた。軽装の甲冑をまとい、ヴァルモラの大要塞都市の一つ、エルトリウムの紋章を掲げた二十人の騎馬兵が、確固たる足取りでやって来て、哀れみの色を浮かべた顔をしていた。彼らは国境支援隊だと名乗った。
ダニエルは完全には信じていなかった。
彼らは食料と包帯を持ち込み、隊列を組むように命じ、避難民たちを集めた。すべてが手続き的だった。あまりにも手続き的すぎた。
夜が訪れ、人々が眠りにつき始めると、ダニエルはひそかにテントを抜け出した。足取りは軽く、濡れた茂みと泥の大地の間を忍び歩く。何かが彼の首筋を冷たくする。本能的な生存の感覚――以前より鋭くなったそれが、静寂の中で叫んでいた。
彼は夕方に見かけた二人の兵士の後をつけた。二人は大きなモミの木の陰で話していた。
「…これで四度目だ」一人が低く囁いた。
「それにまだ種の正体が分からない。」
ダニエルはゆっくりと近づき、闇に溶け込むように身を隠した。
「俺に言わせれば、焼かれた村は偶然じゃない。彼らはただ掃討しているだけじゃない。何かか誰かを探しているんだ。」
「でもなぜ俺たちが残りを片付けるんだ?」
「上からの命令だ。もし呪われた土地の種が自由に育てば、ヴァルガン以上の問題になる。」
間が空いた。声は冷たくなった。
「汚染された者がいたら、遠くに逃がしてはいけない。掃討は突然変異を防ぐためだ。」
ダニエルは土を握り締めた。息が詰まった。
掃討。種。呪われた土地。
その言葉が暗い呪文のように頭の中で渦巻いた。彼はそっと後退し、テントへと戻った。しかし、一人の兵士の最後の言葉だけは耳に残った。
「もし一人がすでに目覚めているなら、彼はこの集団の中にいる。もう失敗は許されない。」
翌朝、空気はより張り詰めていた。兵士たちは相変わらず親切そうに振る舞ったが、避難民たちを見つめる目は変わっていた――何かを探すかのように警戒していた。
ダニエルは群れから離れ、古いオークの木の下に一人で座り、食事を装いながら兵士の動きを一人一人見ていた。
「よく見ているな。」
声が右からした。普通の避難民の服を着た老人が、足音ひとつ立てずにダニエルの隣に座った。顔には年輪が刻まれていたが、目は鋭く、まるで剣のようだった。
ダニエルは無言で見返した。
老人はほほえんだ。「安心しろ。私はあいつらではない。そしてお前の感じているものを知っている…夜に目覚める力。目の端に生きる影。」
ダニエルは膝を握り締め、体を硬くした。「お前は誰だ?」
「名前は霧のようなものだ。しかし答えが欲しければ、一つ与えよう。」
彼はダニエルの心臓の真上の胸を指差した。
「お前をあの夜目覚めさせた力は、恵みではない。神官たちが口にしてはいけないと言った土地――ネレクシ。呪われた土地だ。生と死の境界が剥がれ落ち、闇がキノコのように増殖する場所。」
ダニエルは息を呑んだ。
「お前のような者は多いが、すべてが目覚めに生き残るわけではない。お前は違う。吸収し、殺すだけでなく、エッセンスを飲み込む。」
「なぜ俺たちは狩られているのか?」ダニエルの声は震えた。
「世界は制御できないものを恐れている。そしてお前のような力は…誰にも従わない。」
ダニエルは俯いた。心の中に、恥ずかしそうに微笑む妹リアの顔が浮かんだ。彼の答えを待っているように。
「みんな知っているのか?」と小さくつぶやいた。
「まだだ。しかしすぐに知ることになる。」
老人は立ち上がった。「その時が来たら、お前は選ばねばならない。隠れるか、立ち向かうか。」
彼は歩き去り、その体は朝霧の中にゆっくりと消えた。ダニエルは硬直したまま座り、呼吸が止まりそうだった。
その日、彼はこれまで以上に孤独を感じた――仲間がいないのではなく、自分の中に生きる何かを世界が狩っていることを知っているからだ。
夜は急に訪れた。空は暗く垂れこめ、雲は音もなく渦巻く。ダニエルはテントの外で、小さな石を握りしめていた。
内なる囁きが再び活発になったが、今度は拒まなかった。
「彼らは来る、ダニエル。誰を救ったかなど気にしない。ただ消すべき者だけを。」
「お前はそれを許すか?」
ダニエルは答えなかった。
だが手が閉じ、石は握り潰されて粉となった。そして自身の影から、薄ぼんやりとした形が歪んだ笑みを浮かべて現れた。