第67章 私が帰るまで待っていて

シャワーを浴びた後、夏目初美はかなり目が覚めた気がした。

電気を消して横になると、少しの間だけ音楽を聴いて、すぐに眠りについた。

そして、彼女は工藤希耀が大切そうに彼女に指輪をはめ、さらにベールを上げて優しくキスをする姿を見た。

彼女はまだ不思議に思っていた、なぜベールがあるのだろう?

場面が変わると、四方に花が飾られ、招待客で満席の美しく賑やかな全景が広がった。

彼女はようやく気づいた、これは自分と工藤希耀の結婚式の現場だったのだ。

でも彼女は工藤希耀のプロポーズを受け入れた記憶がなかったし、彼との付き合いもまだそれほど長くないのに、どうして突然結婚という段階まで進んでいるのだろう?

しかしすぐにそんなことを考える余裕はなくなった、なぜなら工藤希耀が再び彼女にキスをしたからだ。

そして今度は彼が彼女にキスをしたまま離さず、舌も……

夏目初美は突然目を覚ました。

そこで気づいたのは、すでに明るい朝になっていて、先ほどまですべて夢を見ていたということだった。

思わず長いため息をついたが、心臓はまだドキドキしていた。

どうしてこんな夢を見たのだろう、そしてなぜ夢がこんなにリアルな感触を持っていたのだろう?

きっと昨夜の瑞穂の言葉に影響されたせいだ、そうでなければ彼女はこれまでこのような夢を見たことがなかった。

夏目初美が考えていると、左手に突然痛みが走った。見てみると、指輪をしていることを思い出した。さっきは指輪が当たって痛かったのだ。

彼女はすぐに理解した。大江瑞穂が昨夜あんなことを言ったからだけではない。

ずっと指輪をつけていたから、変な夢を見たのだろう。

今夜は寝る前に指輪を外さないと……いや、やっぱり外さないでおこう。外してどこに置いたか忘れたり、なくしたりしたら、後悔しても遅いじゃないか?

どうせ何の影響もない、食事でも入浴でも、実際には以前と何も変わらないことが証明されている。

余計なことはしないでおこう……かな?

夏目初美が身支度を整えて寝室を出ると、永谷姉さんはすでにチキンスープを煮込んでいて、部屋中に香りが漂っていた。

彼女を見るなり笑顔で、「奥様、おはようございます。朝食は鍋に入れておきました。食べ終わって支度が済んだら、チキンスープも出来上がりますので、職場に持っていって、お昼に飲んでください。」