しばらく食べていると、みんなお腹いっぱいになり、次の場所に移動する準備を始めた。
工藤希耀が突然現れた。
夏目初美は驚きと喜びで、「どうしてここに?今夜も食事会があるって言ってたじゃない?それに、私たちがここにいるってどうやって知ったの?」
工藤希耀は彼女の隣に直接歩み寄り、笑いながら言った。「大江さんが投稿したSNSを見たんだ。ちょうど近くにいたし、君が飲みすぎるんじゃないかと心配で、様子を見に来たんだ」
そして大江瑞穂とみんなに微笑みながら頷いた。
大江瑞穂はまず笑いながら言った。「私が居場所をバラしちゃったのね?今夜は全員で思いっきり楽しもうって言ってたのに、今となっては、ある人は私たちが楽しむのを見てるだけになりそうね。でも家庭がある人はそういうものよね、理解できるわ、理解できる」
他のメンバーは笑いながら工藤希耀を誘った。「カラオケに行くつもりなんです。奈々さんがもう個室を予約してるんですが、工藤さんも一緒にどうですか?」
「そうですよ、工藤さん。あなたは夏目弁護士の家族だから、私たちの事務所の一員でもあります。一緒に来ませんか?」
工藤希耀は微笑み、何か言おうとした。
夏目初美が先に言った。「やめておくわ。明日は彼の会社の忘年会で、特に忙しいから、今夜はしっかり休まないと。私たちは先に帰るわ。瑞穂、みんなを連れて楽しんでね」
工藤希耀はようやく彼女に同意した。「明日は確かに忙しいんだ。また今度、機会があればみんなと一緒に遊びましょう」
大江瑞穂は明日、夏目初美が工藤希耀に同行することをすでに知っていた。
あれほど重要な場で、社長夫人として工藤家の上下の人々の前で初めて正式にお披露目されるのだから、もちろん最高の状態でなければならない。
しかも、工藤美咲も出席する。あれは彼女の真の主戦場だ。同じフレームに入って彼女を圧倒するわけにはいかないだろう?
大江瑞穂はそこで笑って言った。「忘年会は確かに忙しいわね。夏目初美、あなたの旦那さんは重役だから、もっと忙しいでしょうね。あなたも明日は彼に付き添うから、今夜は早めに休んだ方がいいわ。さあ、早く帰りなさい。私がみんなを連れて、あなたの分まで楽しんでくるから」