第136章 直接対決

幸い、すぐに太田さんが夏目初美の窮地を救ってくれた。「もういいだろう。希耀はまだ工藤夫人に他の人を紹介しようとしているんだ。少し黙っていてくれないか。あなたの声ばかり聞こえてくるよ」

結局のところ、工藤希耀はいつも身内に甘く、美咲という妹に時々厳しくするのは厳しいが、それも彼が本当に彼女を大切にし、彼女のためを思っているからこそだ。

そうでなければ、ただ彼女を甘やかし、甘やかし続けることで、彼自身がより名声と利益を得られるのではないだろうか?

自分の妻は年長者であり、今日のような場で、公然と美咲を困らせ続けるのは、本当に度を越している!

太田夫人も抜け目のない人で、もともと本気で度を越すつもりはなかった。——彼女はただ息子がついに目を覚ましたことがあまりにも嬉しくて、これからは息子が自分を粗末にしていることに怒りながらも、彼が願いを叶えることを期待してしまうという矛盾に悩まされることがなくなるのだ。

太田さんが口を開いたので、彼女も笑顔で引き下がった。「ほら見て、私ったらおしゃべりが止まらなくなっちゃって。希耀、私がおしゃべりだと思わないでね。一鳴はいつも私がうるさいって言うのよ」

工藤希耀の表情は確かに良くなかった。

美咲はまだ一鳴と何もないのに、彼女に対して公然と不機嫌な顔をしている。将来本当に何かあったら、もっと姑の威厳を見せつけるつもりなのだろうか?

さらに初美を巻き込もうとするなんて、どういうつもりだ?

あの二人がうまくいかないのは、むしろ良いことだ!

工藤希耀はただ淡々と一言だけ言った。「あなたは年長者ですから、私があなたをうるさいと思うはずがありません」

そして夏目初美に阿部夫人を紹介し始めた。「初美、こちらは叔母さんだよ。叔母さん、こちらが私の妻の夏目初美です」

夏目初美はすぐに笑顔で阿部夫人に挨拶した。「阿部夫人、こんにちは」

相手を「叔母さん」と呼ぶことはなかった。相手に悪意があることがわかっている以上、彼女を年長者として敬う気はなかった。

それに、阿部夫人にしても工藤美咲にしても、彼女がそう呼ぶことを望んでいないのは明らかだった。

阿部夫人と呼ぶのが最も適切だった。