第143章 おとなしく私が帰ってきて可愛がるのを待って

夏目初美は躊躇して言った。「あなたと一緒に実家に行くの?私は構わないけど、もともと母にいつ帰るか決めてなかったし。でも美咲が私が行くことを望むと思う?あれは彼女が小さい頃から今まで住んでいる家で、感情が違うし、彼女はまだ私を受け入れていないのよ」

「あなたが彼女の同意を得ずに私を連れて行ったら、彼女はきっと怒るわ。お正月なんだから、みんなが不機嫌になるようなことはやめましょう。私は二十九日に和歌山市に帰って新年を過ごして、次回あなたと一緒に実家に行くわ。どうせいつか帰らなければならないし、ちょうど両方とも邪魔にならないわ。帰ってきたら、私たちの二人の世界を安心して過ごせるわ」

工藤希耀は再び眉をひそめた。「でも、これは私たちが一緒になって初めての新年だよ。君と一緒に過ごしたいんだ。今年から、これからの毎年の新年を君と一緒に過ごしたい!」

夏目初美は笑って言った。「私も今年の新年は意味が違うと思うわ。でも、これからまだたくさんの新年を一緒に過ごせるし、今年一緒にいられなくても構わないわ。その時は電話もできるし、ビデオ通話もできる。私たちの心はいつも一緒だから、それで十分じゃない?」

工藤希耀はまだ喜べなかった。

しばらく考えてから言った。「じゃあ、美咲と陽介を私たちの家に来てもらって、みんなで新年を過ごすのはどうだろう?彼らに泊まってもらってもいい。その時、永谷姉さんは実家に帰っているから、三食とも自分たちで作らなければならない。君と美咲は自然と接する機会が増えて、理解も深まるだろう」

夏目初美は彼を白い目で見た。「そして美咲にもっと私に腹を立てさせるの?あなたたちはずっと実家で新年を過ごしてきたのよ。そこには美咲の両親についての最も美しい思い出がある。結果として私のせいで、彼女は自分の家で新年を過ごせなくなる。私がその立場だったら、怒るわ。あなたも彼女の立場になって考えてみて」

工藤希耀は沈黙した後、ようやく決断した。「わかった。じゃあ明後日、運転手に君を和歌山市まで送らせよう。元旦に迎えに行くよ。大晦日の夜は一緒に旧年を送れないけど、元旦に迎えに行けば、一緒に新年を迎えることになるだろう」