第168章 これからの毎年を一緒に過ごそう

工藤希耀は一目見て夏目初美が彼を楽しませようとしていることがわかった。

眉を上げて彼女に合わせ、「お年玉?ある人はもうそんな年齢じゃないだろう、お年玉は子供にあげるものだよ」

初美は彼を睨みつけた。「じゃあ私を子供扱いすればいいじゃない?それに……えへん、私の上で寝てたんだから、寝た代金を払うべきでしょ?」

希耀はもう笑いを抑えられなくなった。「なるほど、そういう寝た代金か?あげるよあげる、それは絶対あげないと。いくらでも喜んであげるよ。今すぐ愛する妻に赤い封筒をあげるね、8が6つでどう?それとも7つにする?」

初美は驚いた。「そんなにくれるの?まあ、お金持ちの世界はこんなにシンプルなのね。でも電波がないんでしょ?どうやって送るの?明日私たちの家に帰ってからでいいよ、どうせ逃げられないんだし」

「もう冗談はやめておくよ、電話をかけないと。固定電話はどこだっけ……あった、先に行くね」

幸い固定電話はすぐに繋がった。

大江瑞穂は初美の声を聞いて非常に驚いた。「えっ、なんでお前なの?なんで固定電話から?原始時代に戻ったの、それとも山奥にいるの?」

初美は鼻を鳴らした。「市外局番が神戸市だって見えないの?私は神戸市にいるのよ、夫の実家で。広くて少し辺鄙な場所だから電波が悪くて、固定電話を使うしかないの。クライアントたちにメッセージは送った?私の代わりに説明して、今は連絡が取りにくいって」

「藤田社長と他の大口クライアントには、すぐに新年の挨拶の電話をするわ。見知らぬ固定電話番号だからって無視されないといいけど」

瑞穂は急に理解した。「そうか、何度も電話しても繋がらないし、メッセージも返ってこないから忙しいのかと思ったけど、電波がなかったのね。安心して、送るべきメッセージは全部送ったわ。藤田社長たちの大口クライアントにも送ったけど、もちろん直接電話した方がいいわね」

「グループでも紅包を送ったし、みんなお前にも催促してるわよ、みんなお前をタグ付けしてる。すぐにお前の代わりにもう少し送っておくわ、一時的に連絡が取りにくいって言っておくね」

初美は笑った。「本当に以心伝心ね、まさにそう思ってたところ」

瑞穂はくすくす笑った。「あなたは旦那さんと以心伝心してなさいよ、でないと彼が嫉妬して私を切り刻むかもしれないわ」