旧正月の八日目、法律事務所が正式に業務を再開し、夏目初美も気持ちを切り替えて新年の忙しさに身を投じた。
彼女がさまざまな忙しさに追われる中、工藤希耀はさらに忙しかった。
実際、今年は彼にとって最も長く休暇を取った年で、休暇中は一度も会社に行かず、公の電話もほとんど受けなかった。
業務再開後、彼が署名すべき書類がどれだけあり、彼が統括して手配すべき仕事がどれだけあるか、想像に難くない。
さらに彼が直接出向かなければならない出張が続き、旧正月の残りの期間は飛行機をタクシー代わりに使うことになりそうだった。
初美は彼と離れるのが十二分に惜しかったが、仕事も同様に重要だった。仕事がもたらす達成感と満足感は、彼らの愛が甘く心が通じ合っていると同時に、同じように重要なものだった。
しかも達成感と満足感だけでなく、責任もある。
だから初美はすぐに希耀の荷物をまとめ、彼を飛行機に乗せ、夫婦は短い「別居生活」を始めた。
ちょうど大江瑞穂は父親の入院治療の手配で忙しかった。「年が明けたばかりで、入院待ちの患者さんがいつもより多いの。手術や化学療法を待っている患者さんもいるから、いつでも連絡を待って、いつでも病院に駆けつけられるようにしないといけないの」
「だからこの数日間は事務所の内外のことを初美に任せることになって、本当にごめんね。この忙しい時期が過ぎたら、必ず分担して、あなたにもっと休んでもらうわ」
初美はもちろん率先して引き受けた。「瑞穂、そんな他人行儀な言い方しないでよ。私たちの関係で、私がそうするのは当然でしょ?あなたは安心して自分のことを忙しくしていて。今はお父さんの健康が一番大事なんだから。手伝いが必要なとき、お金が必要なときは、私に言ってね。遠慮しないで」
そして瑞穂の仕事の大半を引き受け、彼女が後顧の憂いなく過ごせるようにした。
今は希耀が側にいないので、初美はいつも彼のことを考えずにはいられず、狂ったように彼を恋しく思っていた。忙しい方がかえって良いことだった。忙しくしていれば時間が早く過ぎ、忙しさが終われば彼が帰ってくる。
この日、昼食を終えた初美は、また午後いっぱい忙しく過ごした。
忙しさが終わると、もう退社時間になっていた。