みんなはお茶を飲んだり、果物を食べたりしながら、談笑していた。そこに二人の子供たちが時々「あーあー」と声を上げる様子も加わって。
その場はとても賑やかになった。
永谷姉さんまでもが思わず笑いながら感慨深げに言った。「私がこの家で働き始めて三年になりますが、こんなに賑やかなのは初めてです。本当に素敵ですね!」
まして幼い頃からこのような家庭的な温かさをほとんど経験したことのない工藤希耀にとっては言うまでもない。
時折夏目初美に向ける眼差しはより一層優しくなっていた。これらの素晴らしい変化はすべて初美がもたらしてくれたものだから!
賑やかな時間を過ごした後、希耀は双葉学明と双葉俊哉を書斎に招いて話をすることにした。
彼らは今日、客としてだけでなく、正式な用件もあってやって来たのだ。もちろん、まずは本題を済ませてこそ、後でゆっくりお酒を楽しむことができる。
林田愛子は男性陣が書斎に行ったのを見て、初美に笑いかけた。「初美さん、希耀さんが工藤家の社長だと知った時は、正直心配したわ。あなたも十分素晴らしい人だし、彼にふさわしいけれど、やはり身分の差があまりにも大きすぎて、将来のことが…」
「でも今は心配していないわ。希耀さんの目にも心にもあなたしかいないのが明らかだし、二人が真剣に生活を築いているのも一目瞭然。私の心配はもう解消されたわ」
久山葵も笑いながら言った。「そうよね、義弟が従妹を見る目つきといったら、もう何て言えばいいのか。この数日間、彼に関する記事や資料をいくつか読んだけど、多くはないものの、確かに控えめで内向的な人だということがわかったわ。冷たい表情をしている時は本当に威厳があって、人を圧倒するような感じなのに」
「従妹の前ではこんな風になるなんて、これが英雄も美人には弱いってことなのかしら?」
初美は思わず笑った。「お姉さんったら、英雄だの美人だのって、私まで舞い上がっちゃいそう」
少し間を置いて、「でも彼は確かに私にとても優しいわ。この先、何も問題がなければ、私に冷たくなる日は来ないと思う。叔母さん、安心してください。叔父さんにもそう伝えてください」