水野おばあさんは本当に夏目初美のことが好きだった。
当時、彼女はすでに半引退していたが、それでも毎日キャンパスを何周も歩き回り、毎日何度も彼女の子どもたちを見に行かなければ、心が落ち着かなかった。
そうして彼女は、他の子どもたちが食事をしたり遊んだりしている時でも、学校の人里離れた小さな林の中で、必死に教科書や単語、公式を暗記している初美の姿を目にした。
あんなに痩せて小さな子なのに、勉強で困難に直面すると落ち込み、時には小さな声で泣いてしまうこともあった。
しかし、すぐに自分を立て直し、また勉強に没頭するのだった。——結局のところ、当時の初美にとって、一生懸命勉強することが唯一の希望であり、良い大学に合格して地元を離れることが、彼女を窒息させるような家から逃れる唯一の方法だった。必死に頑張る以外に、彼女に何ができただろうか?
思いがけず、無心に植えた柳が木陰を作るように、そのことで水野おばあさんの目に留まった。
努力して向上心のある人を、誰が好きにならないだろうか。特に水野おばあさんのように、一生を教育に捧げてきた人は例外ではなかった。
残念ながら、こんなに良い子が、結局は彼らの家族の一員にはならなかった。
これは「福のある女は福のない家に入らず」ということなのだろうか?
きっとそうなのだろう。今の彼らの家は毎日混乱し、ため息ばかりで、確かに「福のある家」という言葉には値しない……
水野おばあさんは内心自嘲しながら、初美に尋ねた。「あなたの旦那さんはどんなお仕事をしているの?どんな風貌で、人柄はどう?家族はどんな状況なの?機会があれば、私も彼に会ってみたいわ。あなたのために直接見極めてあげたいの」
「あなたはいつも良いことばかり言うけど、私はあなたがいつも思いやりがあるから、良いことだけを報告して悪いことは言わないんじゃないかと心配なの。あなたが私の孫だと言うなら、私は孫の婿に会って、安心したいじゃない?」
このような細やかで優しい気遣いに、初美はもちろんますます丁寧に答えた。「彼は会社の幹部で、とてもハンサムで、人柄も素晴らしいです。彼と一緒にいると、とても安心感があります。私たちは白髪になるまで一緒にいることを約束し、必ずそうなると信じています」