第215章 息子すら要らないのに孫なんて

水野おばあさんは他のお婆さんとは違って、息子と嫁の間のことに一切干渉せず、若い頃もほとんど一緒に暮らすことはなく、普段はそれぞれの生活を送り、年末年始や祝日に集まる程度だった。

また、嫁に対してあれこれ要求することもなく、むしろお金を払ってお手伝いさんや産後ヘルパーを雇うことを好んだ。——少しのお金で家庭内の対立の大半を解決できるなら、それに越したことはないではないか?

おそらくそれは、彼女自身がキャリア志向だったからこそ、同じくキャリア志向の富水楽のキャリアを応援していたのだろう。

だから楽と水野おばあさんは30年以上の姑嫁関係で、険悪になることはほとんどなく、実の親子ではないとは言えないほど、実の親子に近い感情で結ばれていた。

しかし今、水野おばあさんは雄太によって手術室に運ばれてしまった。この高齢で、もし乗り越えられなかったら……夫に対する言い訳以前に、楽自身が感情的にこの残酷な現実を受け入れられないだろう。そもそもこんなことは起こるはずがなかったのだから!

雄太はようやく無表情ではなくなり、顔中に自責と後悔の色を浮かべた。「母さん、ごめんなさい。全て僕が悪いんです。最初から……間違っていました。とんでもなく間違っていました。そして間違いを重ね続けた結果、自分のキャリアが危機に瀕しているだけでなく、家族まで巻き込んで混乱させてしまいました。」

「おばあさんをこんな状態にしてしまって、本当に申し訳ありません。安心してください、おばあさんが危険を脱することができれば良いですが、もしそうでなければ、母さんや父さんが何も言わなくても、必ず責任を取ります。おばあさんにも説明責任を果たします!」

楽は冷笑した。「もしおばあさんが本当に……人がいなくなったら、何の説明が必要なの?説明したところで何の意味があるの?もういい、出て行きなさい。できるだけ遠くへ行って、二度と顔を見せないで。あなたを見なければ私もあと何年か長生きできるわ。また会ったら、私が怒り死にしてしまうかもしれない!」

雄太は動かずに立っていた。

彼は去るとしても、今ではない。少なくともおばあさんが危険を脱したことを確認してから、自分の用事を済ませに行くつもりだった。