第216章 一手の過ちで全てを失う

富水楽が水野雄太を罵れば罵るほど、心の中で後悔が募っていった。

たとえ当初、彼と夏目初美の結婚を急がせなかったとしても、息子や初美とこまめに電話で連絡を取るべきだったと後悔していた。

それに、もっと頻繁に神戸市に彼らを見に行くべきだった。

どうせ二つの地域はそれほど遠くないし、彼女の仕事もここ2年はそれほど忙しくなく、月に数回半日の時間を作ることは簡単だったはずだ。

そうすれば、きっと早い段階で問題に気づき、初美に知られる前に息子の間違った考えを正し、彼を正しい軌道に戻すことができただろう。

そうすれば今のような取り返しのつかない状況にはならなかったはず——本当に後悔していた。あんなに良い娘だったのに、特に目の前のこの愚かで悪質な女と比べると！

雄太はもう恥ずかしさで顔を上げられなかった。「母さん、自分がひどく間違っていたことは本当に分かっています。取り返しがつかないほど後悔しています……変わります、やり直します。父さんや母さん、それにおばあさんが誇りに思っていた息子、孫に戻ります。必ず。どうか、もう一度信じてください、もう一度チャンスをください！」

楽は冷笑した。「残念ながら、もう信じられないわ。最初から深く間違いを認識して、積極的に改善しようとしていたら、こんなことにはならなかったはずよ。」

「でもあなたは何をした？当時はまだ『どっちも手に入れられる』なんて甘い夢を見ていた。何の恐れもなかったからね。最初から家族に話していれば、何か方法も考えられたかもしれない。それなのに招待状をキャンセルできなくなるギリギリまで引き延ばして、顔も丸つぶれになってから、ようやく家族に打ち明けた。」

「その後も、ずっと間違った道を突き進んで、引き返すことなど考えもしなかった。大きな木に寄りかかっているつもりで、心の中では本当に反省も恐れもしていなかった。今回も、お父さんの昇進がなくなったと確信するまで、あなたは慌てもせず、本当の間違いに気づきもしなかった。」

「どうしてあなたを信じられる？どうしてチャンスを与えられる？あなたにはもう信用も品性も何もないのよ！」

傍らで聞いていた竹野心はようやく問題を理解し、顔が青ざめた。

雄太の手を掴んで尋ねた。「あなた、昇進できないってどういうこと？まさか、私が思っているようなことじゃないでしょうね？」