第213章 あなたの一本の髪の毛にも及ばない

「だったら、私は絶対に蛇の七寸を押さえるしかない。彼の頭上の傘を取り外し、彼の後ろ盾を倒す。もう二度と何があっても誰かが尻拭いをしてくれると思って、何があっても本当に底に落ちることはないと思って、図々しくできないようにしてやる!」

工藤希耀はそう言い終えると、夏目初美の方を見た。「初美、僕を恨むなら恨んでくれていい。でも後悔はしていない。なぜなら、君を傷つけようとする者は誰であれ、僕自身も含めて、決して許さないからだ。だから、もう一度同じことがあっても、僕は同じことをするだろう」

初美は皮肉げに微笑んだ。「つまりあなたの言い分は、間違ったけど、絶対に改めないし、次もまた同じことをするってこと?だったら私が恨んだところで何になるの?恨んだって意味ないじゃない」

希耀は苦笑した。「もちろん意味があるよ。君は僕を罵ったり、殴ったり、さらには虐げたりしてもいい。僕は喜んで受け入れるし、決して文句は言わない」

初美はふん、と鼻を鳴らした。「殴ったり罵ったりはいいけど、虐げるのはあなたが望んでることでしょ?私はてっきり自分がある程度は大切にされていると思っていたけど、そうじゃなかったのね。少なくとも、自分が思っていたほど重要じゃなかった。また、公正さが人々の心にあるから今の結果になったと思っていたけど、それも違った」

「結局のところ、私が太い足を後ろ盾にして、金の指を持っているからなのね。今、初瑶がすべてうまくいっているのも、私の愛しい夫が陰で守ってくれているからじゃないの?だとしたら、この『強い女性』も、あまりにも簡単に演じられるわね!」

希耀は慌てて言った。「違うよ、初美。誓って言うけど、初瑶が今日の成功を収めたのは、僕とは全く関係ない。すべては君と大江さん、そして君たちの法律事務所の全員の共同努力の結果だ。僕を信じられなくなったとしても、自分の能力は信じるべきだよ、そうだろう?」

「それに君が今言った、自分が思っていたほど重要じゃないということだけど、実は当時僕が介入しなくても、最初の資金調達はほぼ確実に失敗していただろう。あんな重要な時期に、君が株を引き上げて去ってしまったんだ。どんな投資家だって『安定』を重視する。おそらくすでに躊躇して様子見の状態になっていただろう」