夏目初美は笑いながら言った。「私が言いたかったのは、お義姉さんがどうしてそんなに上手に夫を扱えるのかということです。なるほど、林田おばさまに教わったんですね。それなら私も覚えておかなければ。将来、林田おばさまと双葉おじさまのように、何十年も連れ添っても初めて出会った時のように愛し合えるように」
林田愛子は照れくさそうにした。「この子ったら、自分の叔父や叔母までからかうなんて」
少し間を置いて、真剣な表情になった。「初美、あなたの結婚という大事なことを、私たちだけに知らせてくれたのだから、私たちは親族として当然あなたを支えなければならないわ。だからあなたの叔父と相談して、いくつかの金の装飾品と金塊を用意したの」
「和歌山市では娘を嫁がせる時、金の装飾品をたくさん身につけるほど実家が娘を大切にしているという証拠になるでしょう?だから私たちはあなたに66万円分の金の装飾品を用意したわ。それに42万円分の金塊もあるから、ちょうど108万円になるわ」
「もちろん、これはあなたと希耀にとっては大したことではないでしょうけど、私たちの気持ちです。嫌わないでね」
そう言って、彼女は双葉俊哉を見た。
俊哉は自分たちが持ってきた暗証番号付きのスーツケースを持ってきて、初美の前に置いて開けた。
すぐに金色の光が目に飛び込んできた。
初美は驚きと感動で言った。「今夜は家に泊まらないのに、どうして俊哉さんがスーツケースを持ってきたのかと思ったら...おじさま、おばさま、このプレゼントは高価すぎます。どうして嫌うことができますか?感謝の気持ちでいっぱいです」
「でも受け取れません、本当に、高すぎます。おじさま、おばさま、持って帰ってください。あなたたちが来てくれて、こんな気持ちを持ってくれただけで、私はとても嬉しいし、満足しています」
確かに彼女の叔父の家は和歌山市ではそれなりの資産家で、100万円以上を出すことはできるだろう。
しかし誰のお金も空から降ってくるわけではない。
しかも彼女が知る限り、当時俊哉がお義姉さんに贈った結納金はたった88万円だったので、彼女はどうしても受け取ることができなかった。