第283章 新婚の夜(中)

大江瑞穂は慌てて笑った。「涵子、樂予、そんなこと言わないで。少なくともここでは言わないで。私たち四人だけの時に言うならまだしも。ほら、義弟はいないけど、義妹がいるじゃない。気をつけないと、今日が終わった後、あなたたち二人は義弟のブラックリスト入りよ!」

山本涵子と織田樂予は気まずそうに笑った。「あ、これは……」

「ふふ……冗談よ、冗談。美人の妹さん、どうか私たちのことを気にしないでね。」

工藤美咲はむしろ落ち着いた様子で答えた。「お二人が冗談を言っているのは分かっています。また、お二人が義姉とすごく仲が良いからこそ、冗談も言えるんだと思います。初めまして、工藤美咲です。義姉の義妹であると同時に、今では彼女の親友でもあります。瑞穂姉さんとももう友達になりました。」

「これからも神戸市に遊びに来てくださいね。」

涵子と樂予は慌てて笑顔を見せた。「美咲さん、こんにちは。山本涵子です。お会いできて嬉しいです。」

「美咲さん、こんにちは。織田樂予です。私もお会いできて嬉しいです。夏目初美さんがあなたのお兄様と結婚されて、私たち二人も本当に彼女のことを祝福しています。心からのお祝いです。なぜなら、お兄様が彼女をどれほど惜しみなく愛し、大切にしているかを見たからです。」

美咲は笑顔で頷いた。「お二人が兄と義姉を心から祝福してくださっていることは分かります。ありがとうございます。」

みんなが挨拶を交わし、冗談を言い合った後、美咲は口実を見つけて先に階下へ降りていった。

彼女は涵子や樂予と友達になりたいと言ったものの、初美と彼女たちは滅多に会えないのだから、きっとお互いに話したいことがたくさんあるだろう。そうでなければ、次に四人が集まる機会はいつになるか分からない。

美咲はもちろん、そこまで空気が読めない人間ではなかった。

涵子は彼女が出て行くのを待ってから、声を低くして初美に感嘆した。「初美、前に瑞穂から義妹さんがすごく美人だって聞いていたけど、実際に会ったらもっと美人だったわ。しかも、お嬢様やお姫様みたいな態度を全く取らないなんて、あなたの幸運は本物ね!」