第326章 解決には原因を知る者が必要

数日後、大江瑞穂は忙しい日々を終え、神戸市に戻ってきた。

幸い、少し痩せた以外は、彼女の様子は良さそうだった。

彼女は法律事務所に着くとすぐに、奈々に頼んで夜の食事会の予約を取ってもらった。「みんなへの感謝の気持ちと、この機会に正式に私の夫を皆さんに紹介したいと思って。みんなはもう知っているけど、彼が私の夫として皆と一緒に食事するのは初めてでしょう?」

奈々が承諾して去った後、瑞穂は夏目初美に尋ねた。「今夜、あなたの社長さんは時間を作って参加できる?彼の助けがなければ、私の父はここまで持たなかったかもしれない。だから初美のあたたかい友情に感謝するだけでなく、あなたの社長さんにも感謝したいの」

しかし初美は首を振った。「私に遠慮することないでしょう?残念だけど、彼どころか私も行けないと思う。彼はある事情で、全体的に調子が良くなくて、私は心配で仕方がない。それに明後日の週末を利用して、彼と一緒に実家に帰るつもり。瑞穂が戻ってきてくれて良かった。そうでなければ、数日間事務所を離れることになって、心配だったから」

瑞穂は工藤希耀の状態が良くないと聞いて、それ以上詳しく尋ねなかった。

もし話せることなら、初美は直接言うはずで、わざわざ質問を待つことはないだろう。

彼女が言わないということは、明らかに話せないことなのだ。

そこで瑞穂はただうなずいて言った。「わかった、じゃあ私たちだけで食事するから、あなたは旦那さんと一緒にいてね。この数日間の事務所のことは私に任せて。こんなに長く休んだんだから、そろそろ活躍しないとね」

夕方、仕事が終わると、初美は大勢の同僚と別れ、彼らはレストランへ、彼女は家に帰った。

永谷姉さんはすでに食材を準備していて、彼女が料理するのを待っていた。「この鶏肉と天麻はちょっと古いから、土鍋では間に合わないかも。高圧鍋を用意しましょうか?」

初美は今夜、希耀のために天麻入り鶏スープと家庭風焼き魚を作るつもりだった。

永谷姉さんの言葉を聞いて、笑顔でうなずいた。「お願いします。鶏スープを煮込んでから、焼き魚を作ります。この季節はザリガニを食べるべきなんだけど、残念ながら希耀はアレルギーがあって食べられないの。幸い蟹は大丈夫だから、もうすぐ蟹の季節になっても損はしないわ」