「十二種類の毒蛇、毒サソリ、毒クモ、毒ヒキガエルを乾燥させて粉末にし、様々な薬草と配合して、一日三回服用すれば、半月後には松本さんはベッドから起き上がって歩けるようになります。」
「ただ、この薬は聞くだけでも怖いですが、飲むときはさらに黄連よりも苦いです。松本さんが苦さに耐えられるかどうか心配です。」橋本燃は正直に言った。
松本晴子の美しい顔はすぐにしかめっ面になった。演技ではなく、本当にそれらの毒物が怖かったのだ。
「必ず飲まなければならないのですか?カプセルにして服用することはできませんか?」
「できません。薬効に影響します。それに、この季節は蛇が冬眠中なので、十二種類の野生の毒蛇を捕まえるのは非常に難しいです。あなたが欲しいと思ったときにすぐに揃えられるものではありません。」
「飲みにくいですが、立ち上がれるようになるためなら、これらの困難は乗り越えられます。ジョイ医師がこの薬を作ってくれることを願っています。」松本晴子は感謝の眼差しで言った。
「報酬をいただき、病を治すのは私の仕事です。松本さんがこの方法を受け入れるなら、必ずこの薬を揃えるよう努力します。」
二ヶ月間も松本晴子の甘ったるい演技じみた悲鳴を聞くことを考えると、橋本燃は早く彼女の病気を治す方法を使った方がいいと思った。
この季節に十二種類の毒蛇を捕まえるのは本当に難しいが、耳の安らぎのためなら、彼女はリスクを冒してみる価値があると思った。
「ジョイ医師、ありがとうございます!」
「松本さん、どういたしまして。私はそれだけの治療費をいただいたのですから、松本さんにお金の価値を感じていただかなければなりません。ここで良い知らせをお待ちください。」橋本燃はそう言って、ボディーガードと共に立ち去った。
「橋本...ジョイ医師にその方法に副作用がないか聞いてみます。副作用が大きすぎるなら、冒険しない方がいいでしょう。」温井時雄はそう言って出て行った。
「橋」と「ジョイ」の発音が似ているため、松本晴子は温井時雄の言い間違いに気づかなかった。
温井時雄が出て行くとすぐに、田中雪満が入ってきた。
「ピンポーン...」松本晴子の携帯電話にメッセージの通知音が鳴った。
松本晴子は携帯電話を手に取り、匿名の動画を見つけた。クリックして内容を見ると、彼女の目は憎しみで満ちていた。