HOTファッションショー、橋本燃はこのショーのテーマを「衣の香りの魅影」の夜と名付け、メインステージのデザインと配置を担当すると同時に、各衣装のジュエリーコーディネートも自ら担当することになった。
この日、橋本燃と佐藤淘子は直接ショッピングモールのジュエリーショップに行き、半月後の「衣の香りの魅影」の夜のための宝石を選んで予約した。
自社のジュエリーをHOTファッションショーで使用できるとわかると、ジュエリーショップの責任者は電話で熱烈な歓迎の意を表し、橋本燃が店に来て選ぶことを歓迎し、確実に良い商品を確保して「衣の香りの魅影」の夜に微力ながら貢献すると約束した。
華やかな高級品が並ぶカウンターの前に立ち、佐藤淘子の目はハートマークで輝いていた。
「わぁ、素敵ね。もし私がここのジュエリーを一つ買えたら、どんなに幸せだろう!」
「欲しいものがあれば、プレゼントするわ!」橋本燃は気前よく言った。
「こうやって気前よくお金やジュエリーに散財する姿が大好き。もしあなたが男性だったら、私は体を売ってでもジュエリーと交換するわ。残念ながらあなたは男性じゃないから、好きでも恩恵は受けられないわね」佐藤淘子は尊敬の眼差しで橋本燃を見つめ、自分の底線を守った。
「じゃあ宝石を選びましょう。早く選んで早く帰りましょう」
「はい、必ず任務を完遂します」
橋本燃と佐藤淘子はジュエリーを選び始め、二人は見ているうちに別々の方向に分かれた。
佐藤淘子は精巧な四つ葉のクローバーのブレスレットの前で数分間立ち止まり、その目には深い愛着が表れていた。
数多くの美しいジュエリーの中で、この四つ葉のクローバーのブレスレットだけは、彼女が一年間頑張って貯金すれば手に入れることができるものだった。
佐藤淘子は本当にこのブレスレットが好きで、心の中で自分に言い聞かせた。今年は頑張って貯金して、年末までにはこのブレスレットを買って帰ろうと。
橋本燃と佐藤淘子がブレスレットを選んでいる間、2階のガラス張りのVIP室では、松本晴子と数人の友人たちがジュエリーを選んでいた。
「これらはどれも素敵で、どれも好きだわ。どれを選べばいいのか分からないわ」松本晴子は目の前にある数点の美しいジュエリーを見て、少し困ったように言った。