083 世界が震撼!【1更】

力は非常に軽く、ほとんど無に等しかった。

しかし世界各地を渡り歩く神射手として、その感覚は極めて敏感だった。

わずかな物音でさえ、彼は捉えることができる。

神射手の背筋は瞬時に緊張し、額に冷や汗が滲み、心拍が加速した。

だが結局、彼は振り返った。

弓なりの月が高く、星はまばらに散らばっていた。

冷たい微光が少女の顔を照らし出し、さらに冷たさを増していた。

彼女はスリッパを履いたまま、長い髪も肩に乱れていた。

切れ長の目はぼんやりとして、かすかな霧がかかったようだった。

まるで目覚めたばかりのよう。

しかし神射手の胸はぴたりと止まった。少女の右手に握られているものを見たからだ。

デザートイーグル。

ハンティングガンだ。

彼は普段使わず、バックパックに入れていただけだった。

自分のバックパックが足元にないことに気づいた時、神射手はようやく悟った。目の前の少女が普通ではないことを。

彼は恐怖に駆られた。「お前は…」

「バン!」

勝山子衿は引き金を引いた。手首は一度も後退しなかった。

デザートイーグルが一般に流通していない理由は、その強い反動力にある。

一発撃つだけで、腕の骨が砕ける可能性もある。

たとえ銃を使うのが70キロの大柄な男性であっても。

一人の神射手を始末し、子衿は無表情のまま、微動だにしなかった。

彼女はデザートイーグルを拭き、しまった。

そして神射手が使っていたAS50もバックパックに詰め込み、持ち上げた。

子衿は耳を動かし、足音を聞いた。

振り返りもしない。

手で階段を支え、体を滑らせると、黒い長髪が空中で舞い上がった。

古武者としての豊かな內勁が放たれ、そのまま18階から飛び降りた。

後から来た人が上がってきた時には、屋上にはもう誰もいなかった。

バーテンダーは珍しく呆然とし、頭が真っ白になった。「これは…誰がやったんだ?」

伊藤雲深は連絡を受けて上がってきた後、沈黙に包まれた。

彼の情報は何重にも暗号化されていた。そうでなければIBIでさえ彼を見つけられなかっただろう。

今回は蛇を誘い出すために、わざと情報を流していた。

もちろん、すべてのハンターに流したわけではない。

ただ雲深が予想していなかったのは、この銃神ランキング7位の男が、よりによって今日行動に出たことだった。