彼は本当に落ちこぼれの生徒をO大陸に連れて行きたくなかった。しかもO大陸王立芸術学院のような一流大学に。
それに、O大陸王立芸術学院は普通の芸術祭で一等賞を取っただけで入学資格が得られるようなところではない。
芸術クラスの優秀な生徒たちでさえ、入学できるかどうかは疑わしい。
加藤勲は当然、芸術祭に関心を持ったことがなかった。
そんな暇もなかった。結局のところ、青葉高校の三学年の国際クラスはすべて彼が担当しているのだから。
加藤はこの青葉芸術祭が盛田清堂までも動かしたことを知らなかった。
校長は眉をほんの少し顰めた。
彼は加藤が勝山子衿にこれほど強い意見を持っているとは思っていなかった。
すべての生徒が勉強が得意なわけではないのに、なぜそこまで?
「私の考えが足りませんでした」校長はため息をつき、眼鏡を外した。「加藤先生、ノートン大学の面接の件について話し合いましょう」
加藤の表情がようやく和らいだ。
しかしそのとき、オフィスの電話が鳴った。
校長が電話に出ると、一言聞いただけで表情が変わった。「何ですって?はいはいはい、すぐに行きます」
加藤は顔を上げ、目に疑問の色を浮かべた。
「加藤先生、失礼します」校長は立ち上がり、服装を整えた。「貴賓が来られたので、私は行かなければなりません」
彼は数歩歩いてから、何かを思い出したように言った。「O大陸からの貴賓です。加藤先生は英語がお上手ですから、一緒に来てください」
O大陸?
しかし青葉の教師は、どの管理層であっても英語に堪能であることが求められている。なぜ彼を呼ぶのだろう?
加藤は一瞬驚いた。「わかりました。先に高校二年の国際クラスに行ってきます」
時間が迫っていたため、校長も彼と長話をする余裕がなく、うなずいた後、急いで去っていった。
加藤も後に続いて出て行き、高校二年生の教室棟に向かった。
国際クラスに今日の練習課題を配った後、彼は校長が指定した応接室に向かった。
途中、当然ながら高校二年19組の前を通った。
加藤は校長の言葉を思い出し、無意識に後ろの窓から中を覗いた。
一番後ろの窓際の席で、少女は学校の半袖制服を着て、上着を体にかけ、机に伏せて眠っていた。
加藤は冷淡に視線を戻した。
授業中もまだ眠っている、やはり性根が治らない。