これは前回の訴訟事件から、勝山子衿が初めて投稿した新しい微博だった。
演奏会まであと一日しかなく、勝山露美のファンたちはこのアカウントを注視していた。勝山子衿が空気を読んで自ら演奏会から降りるかどうかを見たかったのだ。
しかし誰も予想していなかったことに、彼女は降りるどころか、こんな発言までしたのだ。
【チケット代をなぜあなたに渡さなきゃいけないの???まさかこの演奏会はあなたのために開かれたとでも?それとも露美より上手に弾けるとでも言うの?】
【厚顔無恥とはこういうことを言うんだなって、よくわかったわ。】
【来なければ来ないでいいのよ、私たちがあなたに来てほしいと頼んでるとでも思ってるの?露美、彼女を来させないで。】
【決めたわ、彼女の演奏部分を飛ばさないことにする。彼女がどれだけ上手に弾けるのか、そんなに大口を叩けるほどなのか、この目で確かめてやる。】
ファンたちは勝山露美の微博にも押し寄せ、甘やかさないようにとコメントした。
しかし彼らが知らないのは、この演奏会はそもそも露美が子衿のために特別に用意したものだったということだ。
子衿が来なければ、彼女の計画はすべて無駄になってしまう。
実際には彼女こそが子衿に来てほしいと頼まなければならない立場だった。
この投稿を見た露美は怒りで体が震え、顔が青ざめた。「やっぱり大人しくしているわけないわ。こんな目的があったなんて。」
彼女のこの演奏会は、オンラインとオフラインを合わせて約8000万円の売上があり、長い間使えるはずだった。
子衿がまさか図々しくも全額を要求してくるとは。
マネージャーは怒るどころか、むしろ笑みを浮かべた。「露美、彼女に渡せばいいじゃない。どうせあなたが言ったように、彼女があんな多くの大家の前で恥をかくことになるんだから。ひどければ、恥ずかしさのあまり自殺するかもしれないわ。」
「それに、彼女がこんな発言をすれば、叩かれるのは彼女の方で、あなたはむしろ被害者になるわ。」
この言葉を聞いて、露美はようやく落ち着いた。「そうね。」
彼女も分かっていた。もし本当に同意しなければ、子衿は本当に来ないだろう。
露美は悔しさを抑えながらこの投稿をリツイートした。マネージャーが止める間もなかった。
【@勝山露美V:わかったわ、叔母さんはあなたを待ってるわ。】