343 根岸朝は発狂した、大物たちはあなたたちの手に負えない【2更】

最初に入ってきたのは数人のウェイターだった。

彼らはそれぞれ十数個の袋を手に持ち、苦労して個室に置くと、退出していった。

江口燃の体が震え、彼はいとこが入ってくるのを見た。

それは一人の女性で、年齢は絶対に二十歳を超えていなかった。

彼女は肌が非常に白く、美しいアーモンド形の目をしていて、まつげは細かく長かった。

それは人を心地よくさせる容姿だった。

花の木に積もる雪、新月の周りの光輪のよう。

現代社会では、彼女のような澄んだ眼差しを持つ人はなかなかいない。

勝山子衿は顎を支え、物思いにふけっていた。

どうしてこんな女の子が、燃と羽を避けさせるほどなのだろう?

彼女はかなり気に入っていた。

「ええと、紹介するよ。これは私の姪っ子の——」橘重郎は軽く咳払いをした。「橘眠兮だ。子衿と同い年で、羽と雲深はもう知り合いだから、紹介の必要はないだろう」

根岸朝は不思議に思った。

彼も知らないのに、なぜ彼には紹介してくれないのだろう?

眠兮は重郎を抱きしめ、とても従順に「おじさん、こんにちは」と言った。

彼女はさらに江口絵屏も抱きしめた。「絵屏さん、こんにちは」

燃は「……」

彼は忘れていた。

羽が彼の母を甘やかすだけでなく、眠兮もそうだということを。

眠兮は絵屏から離れ、少し目を細め、視線が燃に向けられた。

燃は拳を握りしめ、無意識に逃げようとした。

しかし間に合わなかった。

彼のいとこは「ふわっ」と彼の前に現れた。

「燃ちゃん、また背が高くなったね」眠兮は彼の顔を必死に揉み、団子のようにした。「この体格、この顔立ち、きっと私にたくさんの義理の妹を連れてきてくれるわね」

燃は無表情だったが、抵抗できず、眠兮の蹂躙に耐えるしかなかった。

眠兮は満足して蹂躙を終えると、視線を羽に向けた。

羽は体が冷たくなるのを感じた。

「羽ちゃん」次の瞬間、眠兮は彼女のところに来て、同じく顔を揉んだ。「羽ちゃんも背が高くなったね」

羽は無表情で、歯を食いしばって冷笑した。「橘眠兮、私の方が年上よ!」

ちっちゃいなんてとんでもない。

「みんな同じよ同じ」眠兮は手を上げ、二人の身長を比べた。「ほら、私の方がほんの少しだけ高いでしょ、しかもヒールも履いてないのに」

羽は「……」

OK。