第12章 同じベッドで別々の枕
翌日起きたときには、もう昼だった！昨夜の夢の中の光景がまだはっきりと残っていた。夢の中には彼ら二人だけがいたのに、彼女は彼に追いつくことができなかった！おそらくこれはすべて天の定めだったのだろう——縁はあっても結ばれない運命！
自分が結婚を決めたときにこんな夢を見るということは、天が自分に告げているのだろう：彼のことは忘れて、自分の歩みを取り戻し、本来の生活に戻りなさいと！
斎藤遥が訪れたのは夕食後のことだった。早川お父さんと早川お母さんに挨拶をした後、助手に佐藤若菜が梱包した三つの段ボール箱を車に運ばせ、早川お父さんと早川お母さんの名残惜しそうな視線と細やかな注意の中、若菜を連れて行った。
「今日はまず僕のアパートに帰って、明日は僕の両親に会わせるよ」遥は運転しながら彼の予定を伝えた。
「あなたのご両親は付き合いやすい方？何か準備すべきことはある？どう振る舞えばいいの？その時は教えてね」若菜は義務を果たすような様子で、非常にプロフェッショナルに見えた。
彼女の態度に遥の気分は一気に悪くなった。彼女をちらりと見て、冷たく頷くと、その後は道中ずっと黙っていた。
遥のアパートは川沿いの川景色が見える場所にあった。ここは一寸の土地も金に値するため、基本的に大きな間取りはなかった。遥は独創的に一階全体の四つの小さな間取りを買い、それらを繋げて一つの超大型の間取りにした。このような改造の最大の利点は、それぞれの空間が独立しつつも共有されているということだった。
もちろん、若菜には彼の独創的な傑作を見学する気分ではなく、ただ遥が彼女をどのように配置するのかを考えていた。
考えていると、すでに誰かが彼女の代わりにこの質問をしていた。荷物を運んでいた助手が箱をリビングに運び込んだ後、遥に尋ねた。「三男坊、荷物はどちらに？」
若菜は少し緊張した様子で遥を見たが、遥は彼女を見ることもなく、直接助手に言った。「とりあえずここに置いておいて、後で自分で処理するから」
助手はそれを聞くと、箱を置いてすぐに彼らの前から姿を消した。
緊張していた若菜は、その助手が遥のことを「三男坊」と呼んでいたことに気づかなかった。
彼女は少し驚いて、遥に言った。「私はどの部屋に泊まるの？荷物は後で自分で運ぶわ」取引関係なのだから、彼を使用人のように扱うわけにはいかない！
「ついてきて」遥は身をかがめて二つの箱を持ち上げ、若菜に言った。
若菜は急いで残りの箱を持ち上げ、遥の後ろについて行ったが、部屋の入り口で足を止め、一歩も進もうとしなかった：明らかに、この黒と白とグレーを基調とした超大型の寝室は、遥自身のものだった！
「斎藤さん、私たちは今後の付き合い方について話し合う必要があると思うんだけど」若菜は既に中に入っていた遥に言った。
遥は箱を置き、彼女をちらりと見て淡々と言った。「僕は今夜用事があって出かけなきゃならないから、この話は明日にしよう。君は荷物を整理して、シャワーを浴びて先に寝ていて。僕を待つ必要はないよ」
言い終わると、若菜の返事を待たずに急いで去っていった。本当に重要な用事があるようだった。
玄関のドアが開いて閉まる音を聞いて、若菜は彼が出かけたことを知り、緊張していた神経がようやくゆっくりと緩んだ。この異常に大きな主寝室を見回しながら、あまり親しくないこの夫とどうやって同じベッドで寝るのかと悩んでいたところ、嬉しい発見をした——この寝室には独立したバスルームの他に、開放的な小さなスイートルームがあり、正寝室との間は紫灰色のカーテンで仕切られていた。カーテンだけとはいえ、一応独立した空間だった！
若菜は興奮して走っていき、カーテンを開けたが、そこで立ち止まった：部屋の三分の一のスペースが弧を描く机に占められ、その上にはさまざまな下着のデザイン画や色とりどりの進捗表が置かれていた！——遥は服飾デザイナーだと言っていたので、ここは彼が夜に残業するために用意された場所なのだろう！
若菜は他の部屋も一周見て回り、家は広いものの、各スペースが遥によって十分に活用されていることに気づいた：主寝室が二部屋分、書斎が一部屋分、ジムが一部屋分を占め、各機能エリアには独立したバスルームがあった！リビングに二つのキッチンが合併されている以外に、主寝室とジムのキッチンはすべてコーヒーコーナーに改造されていた。彼女がリビングで寝る気がない限り、この一階全体の家には、主寝室以外に彼女のための独立した部屋は確かに見つからなかった！
若菜は悩みながら主寝室に戻り、運命を受け入れて自分の箱を開け、一つ一つ服を整理し始めた。
遥のクローゼットを見ると、すべて壁に沿って建てられた壁面収納で、やはり紫灰色のカーテンがクローゼットのドアとして使われており、色が単調な部屋に柔らかさを加えていた。
最も大きなクローゼットを開けると、クローゼット全体の上下二段に所狭しとシャツがかかっていて、若菜は少し目がくらんだ——この男はシャツマニアだ！彼女はそう思った。
彼女は直接スペースを空けて自分の服をそこにかけたが、小さな下着類は若菜を困らせた：バスルームに最も近い壁のクローゼットの半分は引き出し式で、遥の下着、靴下、ネクタイが入っていたが、自分の小さな下着を彼のものと一緒に置くのは、考えただけで恥ずかしかった！
長い間迷った末、若菜は自分のパジャマだけをそこにかけ、小さな下着は持ってきた不織布の小箱に入れたまま、クローゼットの隅に静かに置いておくことにした。
これらをすべて終えると、もう11時になっていた。遥はまだ帰ってきておらず、若菜は心の中でほっとしていた：帰ってこなくてよかった。そうでなければ、この部屋でシャワーを浴びて、彼が自分の隣に横たわるのを見ながら、今夜は眠れなくなっていただろう！
そこで急いでシャワーを浴び、少し控えめなパジャマを選び、クローゼットから布団と枕を見つけ出して自分をしっかりと包み込んだ後、その円形の大きなベッドの端に寄りかかって安心して眠りについた——同じベッドでも、枕を共有する必要はないだろう！
遥が帰ってきたとき、彼が見たのは、この女性の豊かな長い髪が円形の大きなベッドに自由に広がり、彼の男性的なスタイルに満ちた部屋に魅惑的で神秘的な雰囲気を与えていた。そして彼女の体は、布団にきつく包まれて繭のような形になり、きれいな額には既に汗が少し滲んでいた——四方に広がる黒髪と、きつく丸まった体、それらは矛盾しながらも一体となっており、彼女の性格のようだった——自由奔放にもなれるし、厳格で抑制的にもなれる！
遥は頭を振って、彼女が引っ越してきた初日に熱中症にならないように、彼女がきつく包まれた布団を少し開けた。夢の中の彼女はほっとしたような様子で、長く息を吐き出し、少し皺寄せていた眉も緩んだ！
彼がシャワーを浴びてベッドに上がったとき、若菜はまだ彼が帰ってきたときと同じ姿勢を保っていたが、このまま一晩中寝たら、明日起きたときに腰や背中が痛くならないだろうか？
遥は彼女をしばらく見つめた後、もう気にしないことにして、自分の布団を引き上げ、堂々とベッドの真ん中に大の字になって横たわった——彼のベッドがこんなに大きく、しかも円形なのは、彼が寝るときに非常に落ち着きがないからだった！母親の葉山淑恵によると、彼は7歳までは朝になるとよく床から目覚めていたという！そして18歳までは、彼の部屋にはベッドがなく、日本式の畳だった。成長期だったので、夜にベッドから落ちると睡眠に影響するからだった！