第21章 私は外に閉め出された

「弟の嫁さん、こんにちは！」斎藤延彦の態度は淡々としていたが、礼儀を欠くことはなかった。

一方、田中佳子は完全に名家のお嬢様であり名家の長男の妻という姿勢で、顔に浮かぶ高貴で偽りの笑顔には何となく敵意のようなものも混じっていた。

彼女は顎を高く上げ、傲慢さ全開で佐藤若菜を一瞥すると、斎藤遥にだけ話しかけた。「三弟、おめでとう。今日は急いで来たので、まともな贈り物を用意できなかったわ。このカルティエの限定版ブレスレットのペア、三弟は一応受け取っておいて」

初対面で、いきなり限定版のブレスレットのペアを贈るなんて、確かに気前がいいが、大らかさに欠けるようにも見えた。

若菜は彼女が遥にばかり話しかけるのを見て、彼女の言葉に応じず、遥の対応を待った。

元々それほど大きくない遥の目は、今やさらに細く線のようになり、彼の視線は佳子の顔とブレスレットを持つ手の間を行ったり来たりしていた。佳子が彼の視線に少し居心地悪そうになり、怒りかけたところで、彼はようやく口を開いた。「若菜、大嫂の家にはこういうものがたくさんあるんだ。高価ではないかもしれないが、一応気持ちだから受け取っておいたら？」これは明らかに佳子の成金行為を嘲笑する意味だった！

佳子は聞いて怒りを感じたものの、それでも手にしたものを遥の前に差し出した。若菜が受け取ろうとすれば、必然的に彼女の手から取らなければならない。若菜がそんな品のないことをするはずがない！

だから、若菜は遥を無視し、佳子は若菜を無視し、遥も佳子のものを受け取らず、三人はこのように奇妙な膠着状態に陥った。

若菜は互いに相手を認めようとしないこの二人を静かに観察しながら、頭の中で突然三文字が浮かんだ——「関係あり！」

膠着状態が続く中、結局延彦が沈黙を破り、眉をひそめて遥に言った。「遥、弟の嫁の代わりに受け取ってやれ」

遥は延彦に対して非常に敬意を払っているようで、珍しく素直に頷き、佳子がずっと持っていた贈り物の箱を受け取ろうと手を伸ばした。

そのとき、ずっと黙っていた若菜が口を開いた。「遥、私は金属アレルギーなの！」